土の三相|含水比も間隙比も分母は土粒子
この記事の要点
含水比の分母は土粒子の質量、間隙比の分母は土粒子の体積です。
どちらも全体ではないので、ここを取り違えると答えが全部ずれます。
土の三相は、土粒子・水・空気の3つで土を捉える考え方です。
質量は土粒子と水だけ、体積は3つとも持ちます。
分母がどこかで決まる
| 量 | 分子 | 分母 |
|---|---|---|
| 湿潤密度 ρt | 全体の質量 | 全体の体積 |
| 含水比 w | 水の質量 | 土粒子の質量 |
| 間隙比 e | 間隙の体積 | 土粒子の体積 |
湿潤密度だけが全体を分母にします。
含水比と間隙比は分母が土粒子です。全体を分母にすると、それぞれ飽和度や間隙率という別の量になってしまいます。
土粒子の体積は比重から出す
間隙の体積は直接測れないので、全体の体積から土粒子の体積を引いて出します。土粒子の体積は、乾燥質量を土粒子比重と水の密度の積で割れば求まります。
そこから間隙の体積が出て、土粒子の体積で割れば間隙比です。
技術士一次ではこの形で出た
令和6年度の建設部門Ⅲ-1が、この3つを一度に求める設問でした。湿潤状態の土の体積が400m³、質量が600Mg、乾燥させると500Mgになり、土粒子比重2.70という条件になっています。
順番に入れる
| 求めるもの | 計算 | 値 |
|---|---|---|
| 湿潤密度 | 600 ÷ 400 | 1.5 Mg/m³ |
| 水の質量 | 600 − 500 | 100 Mg |
| 含水比 | 100 ÷ 500 | 20% |
| 土粒子の体積 | 500 ÷ 2.70 | 185.2 m³ |
| 間隙の体積 | 400 − 185.2 | 214.8 m³ |
| 間隙比 | 214.8 ÷ 185.2 | 1.16 |
正答は1.5Mg/m³・20%・1.16の組合せでした。含水比を100÷600として16.7%とすると、そこで選択肢を外します。
令和7年度は別の設問だった
Ⅲ-1は年によって中身が変わります。令和7年度は定水位透水試験でダルシーの法則を使う設問になっていました。
どちらも土質の計算問題なので、Ⅲ-1は計算で取りにいける位置です。
理解度チェック
含水比が100%を超えることはあるか。
あります。分母が土粒子の質量なので、水のほうが重ければ100%を超え、高有機質土などで実際に起こります。
間隙比と間隙率はどう違うか。
間隙比は分母が土粒子の体積、間隙率は分母が全体の体積です。分母が違うだけで値も違います。
乾燥密度は何で割るか。
土粒子の質量を全体の体積で割ります。分子だけが乾燥後の質量に変わり、分母は全体のままです。
まとめ
含水比と間隙比は分母が土粒子です。湿潤密度だけが全体を分母にします。
この一点を固定しておけば、条件が変わっても順番に入れるだけで解けます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-1
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月