主働土圧と受働土圧はどちらが大きいか|ランキンとクーロンの違い
この記事の要点
壁が土から離れると土圧は最小になり、これが主働土圧です。壁が土を押すと最大になり、これが受働土圧です。
ランキンは背後地盤全体の破壊、クーロンはくさび状のすべりを仮定します。
土圧は、壁がどちらに動いたかで大きさが変わります。
動いていない状態が静止土圧で、そこを境に上下へ振れます。
壁の動く向きで3つに分かれる
| 壁の動き | 土圧の名前 | 大きさ |
|---|---|---|
| 土から離れる | 主働土圧 | 最小 |
| 動かない | 静止土圧 | 中間 |
| 土を押す | 受働土圧 | 最大 |
壁が離れれば土は自分から崩れようとするので、支えるのに必要な力は小さくて済みます。逆に壁が土を押し込むときは、土の抵抗を全部相手にするので大きくなります。
名前から思い出そうとすると迷いやすいところです。主働は「土が主体的に動く」、受働は「土が押されて受け身になる」と読むと合います。
ランキンとクーロンは仮定が違う
| 理論 | 仮定する破壊の形 | 導き方 |
|---|---|---|
| ランキン | 壁の背後地盤全体が破壊に達する | 応力状態から導く |
| クーロン | 背後地盤がくさび状にすべる | 力のつり合いから導く |
ランキンは地盤全体、クーロンはすべり面で切り取ったくさび、と覚えると取り違えません。
設問では物部・岡部も選択肢に並びます。これは地震時の土圧を扱う理論で、この設問では誤答として置かれていました。
技術士一次ではこの形で出た
令和5年度の建設部門Ⅲ-4が、この4語を穴埋めさせる設問でした。壁体の変位に伴う土圧の変化を示した図があり、最小と最大に入る語と、2つの土圧理論の名前を選ぶ形になっています。
正答は主働土圧・受働土圧・ランキン・クーロンの組合せでした。
令和2年度に同じ設問が出ている
この設問は令和2年度のⅢ-4と同じで、設問文も図も選択肢の中身も変わりません。
違うのは並び順だけで、令和2年度の正答は④、令和5年度の正答は②です。番号で覚えていると外すので、中身で選ぶ必要があります。
理解度チェック
擁壁の設計で使うのは主働土圧と受働土圧のどちらか。
背面側は主働土圧で、壁が土に押されて前へ動くため土が自分から崩れる側です。前面の抵抗を見込むときは受働土圧を使います。
静止土圧が主働と受働の間に来るのはなぜか。
壁が動いていない状態だからです。土がまだ崩れ始めておらず、押し込まれてもいない中間の状態です。
ランキンとクーロンで、すべり面を仮定するのはどちらか。
クーロンです。背後地盤がくさび状にすべると仮定し、そのくさびの力のつり合いから土圧を出します。
まとめ
壁が離れれば主働で最小、押せば受働で最大になります。ランキンは地盤全体の破壊、クーロンはくさびのすべり、この対比だけ持っておけば足ります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-4
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-4
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」令和2年度・令和5年度
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月