令和4年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2 を解説、圧密に要する時間が同じになる地盤
令和4年度 建設部門Ⅲ-2は、境界条件・圧密層厚・透水係数・体積圧縮係数が違う4つの飽和粘土地盤で、圧密に要する時間が同じになる組合せを選ぶ設問です。
この問題のポイント
圧密に要する時間はt=Tv×Hd²÷cvで、cvは圧密係数k÷(γw×mv)です。
Hdは最大排水距離で、片面排水なら層厚そのもの、両面排水なら層厚の半分です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の透水|ダルシーの法則と動水勾配
つまり両面排水にすると時間は4分の1まで短くなります。層厚を半分にするのも同じ効き方なので、地盤bと地盤cが同じ値でそろいます。
各選択肢の正誤
圧密時間は「最大排水距離の2乗÷圧密係数」に比例します。両面排水なら最大排水距離は層厚の半分になる点が分かれ目です。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 地盤aと地盤b | ×(誤り) | aは0.5H²÷k、bは0.25H²÷kで一致しない |
| 2 地盤aと地盤c | ×(誤り) | aは0.5H²÷k、cは0.25H²÷kで一致しない |
| 3 地盤aと地盤d | ×(誤り) | aは0.5H²÷k、dは0.0625H²÷kで一致しない |
| 4 地盤bと地盤c | ○(正しい) | bは(H÷2)²÷k、cは(0.5H)²÷kで、どちらも0.25H²÷k |
| 5 地盤bと地盤d | ×(誤り) | bは0.25H²÷k、dは0.0625H²÷kで一致しない |
地盤aは透水係数が2kなので圧密係数が2倍になり、時間は半分の0.5H²÷kです。地盤bは層厚が同じでも両面排水なので排水距離が半分になり、同じ0.25H²÷kの地盤cと並びます。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
4つの地盤で圧密時間を出す
選択肢の絞り方
両面排水で時間が4分の1になる理由
水が抜けるまでの時間は、水が動く距離の2乗で効きます。上下どちらにも抜けられるなら、いちばん遠い水でも層厚の半分だけ動けば済みます。
距離が半分になると2乗で4分の1なので、時間も4分の1です。サンドドレーンやペーパードレーンが効くのは、この距離を短くしているからです。
透水係数と体積圧縮係数の入り方
圧密係数cvはk÷(γw×mv)で、透水係数kが分子です。kが2倍の地盤aは、cvが2倍で時間が半分まで短くなります。
体積圧縮係数mvは4地盤とも同じなので、この設問では効きません。
覚え方
- 圧密時間は「距離の2乗÷圧密係数」で覚えます。両面排水と層厚半分は同じ、と1組で押さえます。
理解度チェック
圧密に要する時間は何の2乗に比例するか。
最大排水距離です。両面排水なら層厚の半分になります。
両面排水にすると時間はどう変わるか。
4分の1になります。排水距離が半分になり、2乗で効きます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-2
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月