令和4年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-7 を解説、床版の設計はT荷重
令和4年度 建設部門Ⅲ-7は、道路橋の床版を5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
床版の設計に用いるのはT荷重です。隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたものもT荷重です。
選択肢1はL荷重という名前で、T荷重の中身をそのまま説明しています。名前と中身が二重に入れ替わっているので、どちらから見ても誤りです。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢1(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:道路橋の床版|T荷重とL荷重を取り違えない
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 設計に用いる荷重 | ×(誤り) | 床版はT荷重。車軸を1組の集中荷重に置き換えたものもT荷重 |
| 2 合成作用 | ○(正しい) | 桁作用としての応力と床版作用としての応力が同時に生じる |
| 3 鋼床版 | ○(正しい) | 縦リブ・横リブでデッキプレートを補剛し、床組構造や主桁で支持される |
| 4 鋼コンクリート合成床版 | ○(正しい) | 鋼部材とコンクリートが一体となって荷重に抵抗する合成構造 |
| 5 耐久性 | ○(正しい) | 輪荷重の大きさと頻度、大型車の走行台数の影響を大きく受ける |
L荷重のほうは主桁など支間の長い部材に使う、等分布と線荷重の組です。残る4つは合成作用・鋼床版・合成床版・耐久性の教科書どおりの記述です。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
T荷重とL荷重の使い分け
床版にT荷重を使う理由
床版が受け持つのは、真上を通るタイヤの荷重です。支持する範囲が狭いので、車列全体を平均した荷重では実際の応力が出ません。
1組の車軸を集中荷重として置くほうが、床版の応力を安全側に評価できます。支間の長い主桁では逆に、車列を並べたL荷重のほうが厳しくなります。
同じ入れ替えが令和6年度にも出ている
令和6年度のⅢ-9も、L荷重の名前でT荷重の中身を書いた記述が正答でした。2つの荷重の名前と中身は、そのまま入れ替えて出題されます。
T荷重は床版、L荷重は主桁と対で持っておけば、どちらの年度でも切れます。
覚え方
- TはTire、LはLaneと読み替えます。タイヤ1組ぶんがT荷重、車線に並ぶ車列がL荷重です。
理解度チェック
床版の設計に用いる荷重はどれか。
T荷重です。隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたものです。
L荷重はどこに使うか。
主桁など支間の長い部材です。等分布荷重と線荷重の組で車列を表します。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-7
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月