令和4年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-10 を解説、練混ぜ水に海水は使えない
令和4年度 建設部門Ⅲ-10は、コンクリートの材料を5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
海水は塩化物イオンを持ち込むので、鋼材の腐食を促進します。
選択肢5は抵抗性が高くなると書いているので、そこで切れます。鉄筋を使わない無筋コンクリートなら海水を使える場合もありますが、設問は鉄筋腐食を含めて抵抗性が上がると言っています。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:コンクリートの材料|ポルトランドセメント6種類に高熱は無い
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 ポルトランドセメント | ○(正しい) | 普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩の6種類 |
| 2 膨張材 | ○(正しい) | 乾燥収縮や硬化収縮に起因するひび割れの発生を低減できる |
| 3 細骨材の品質 | ○(正しい) | 清浄・堅硬で、有機不純物や塩化物を有害量以上含まない |
| 4 減水剤とAE減水剤 | ○(正しい) | ワーカビリティーを向上させ、単位水量と単位セメント量を低減できる |
| 5 練混ぜ水に海水 | ×(誤り) | 塩化物イオンで鋼材腐食が進む。抵抗性は下がる |
残る4つはセメント6種類・膨張材・細骨材・減水剤の教科書どおりの記述です。ポルトランドセメントは普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩の6種類です。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
ポルトランドセメント6種類
塩化物イオンが鋼材を錆びさせる仕組み
コンクリートはアルカリ性が高く、鋼材の表面に不動態皮膜を作って守っています。塩化物イオンはこの皮膜を局部的に壊すので、そこから腐食が進みます。
海水は塩化物イオンを最初から持ち込むので、鉄筋コンクリートには使えません。海砂を使う場合に塩分の除去が求められるのも、同じ理由です。
減水剤で単位水量を下げる意味
減水剤はセメント粒子を分散させ、同じ軟らかさを少ない水で出せるようにします。単位水量が下がると水セメント比も下げやすく、強度と耐久性が上がります。
単位セメント量も減らせるので、水和熱と収縮まで小さくできます。
覚え方
- 海水は「塩を入れる」だと考えます。塩害の原因物質を練混ぜ水から入れる形になるので、抵抗性が上がるはずがありません。
理解度チェック
練混ぜ水に海水を使うと何が起きるか。
塩化物イオンで鋼材の腐食が促進されます。抵抗性は下がります。
ポルトランドセメントは何種類あるか。
6種類です。普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-10
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月