コンクリートの材料|ポルトランドセメント6種類に高熱は無い
この記事の要点
6種類の並びは普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩です。低熱が高熱に化けていたら誤りです。
同じ一文が令和4年度では正しい選択肢、令和7年度では誤りの選択肢として出ています。
ポルトランドセメントは、コンクリートの結合材になる基本のセメントです。
用途に応じて水和熱の出方や化学抵抗性を変えた種類が並びます。
6種類の並びを順に持つ
| 種類 | ねらい |
|---|---|
| 普通 | 標準 |
| 早強・超早強 | 初期強度を早く出す |
| 中庸熱・低熱 | 水和熱を抑える。マスコンクリート向き |
| 耐硫酸塩 | 硫酸塩による劣化に抵抗する |
水和熱を下げる側の種類はあっても、熱を高くする「高熱」という種類は並びに存在しません。
中庸熱と低熱の2つが熱を抑える側で、低熱のほうがより抑える形です。
骨材と練混ぜ水に求めるもの
細骨材と粗骨材には、清浄・堅硬で、劣化に対する抵抗性をもち、化学的にも物理的にも安定していることが求められます。有機不純物や塩化物などを有害量含まないことも条件です。
練混ぜ水は、凝結硬化・強度の発現・体積変化・ワーカビリティーなどの品質に悪影響を及ぼさないものです。鋼材を腐食させる物質を有害量含んでいないことも要ります。
海水は塩化物イオンを含むので、鉄筋コンクリートの練混ぜ水としては使いません。
混和材と混和剤は別もの
| 区分 | 例 | 効き方 |
|---|---|---|
| 混和材 | 膨張材 | 乾燥収縮や自己収縮に起因するひび割れを低減する |
| 混和剤 | 減水剤・AE減水剤 | ワーカビリティーを上げ、単位水量と単位セメント量を減らせる |
化学混和剤には、圧送性の改善・単位水量の低減・耐凍害性の向上・水密性の向上といった効果が期待できます。
技術士一次ではこの形で出た
令和7年度 建設部門Ⅲ-10が、コンクリートの材料から不適切なものを選ぶ設問で、正答は⑤でした。誤りは、6種類の並びのうち低熱を高熱に置き換えた記述です。
令和4年度 建設部門Ⅲ-10にも同じ一文が①に置かれており、こちらは低熱のままで正しい選択肢でした。令和4年度の正答は⑤で、海水を練混ぜ水に使うと劣化に対する抵抗性が高くなるとした記述です。
膨張材と細骨材の記述も2年で使い回されており、変わったのは「どの一語を差し替えて誤りにするか」だけです。
理解度チェック
水和熱を抑える側の種類はどれか。
中庸熱と低熱です。マスコンクリートの温度ひび割れを抑える目的で使います。
海水を練混ぜ水に使えないのはなぜか。
塩化物イオンを含み、鋼材を腐食させるためです。抵抗性が高くなるという向きにはなりません。
膨張材はどのひび割れに効くか。
乾燥収縮ひずみや自己収縮ひずみに起因するひび割れです。収縮を膨張で打ち消す考え方です。
まとめ
6種類に高熱は無いです。同じ一文が年度によって正しい選択肢にも誤りの選択肢にもなります。
並びを丸ごと覚えて、差し替えられた1語を見つける読み方です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-10
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-10
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」(令和4年度・令和7年度)
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月