令和4年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-6 を解説、長方形断面の断面諸量
令和4年度 建設部門Ⅲ-6は、幅b・高さdの長方形断面について、断面二次モーメントや断面係数の変わり方を問う設問です。
この問題のポイント
同じ長方形でも、Iは高さの3乗、Zは2乗、iは1乗で効きます。
ZはIを縁までの距離d÷2で割るので、Iより指数が1つ下がります。だから高さを2倍にするとIは8倍、Zは4倍です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:断面二次モーメント|断面係数との違いと効き方
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 d2倍・b2倍で断面積4倍 | ○(正しい) | A=bdなので2×2=4倍 |
| 2 b2倍で断面二次モーメント2倍 | ○(正しい) | I=bd³÷12。bは1乗なので2倍 |
| 3 d2倍・b2倍でIは16倍 | ○(正しい) | 2×2³=16倍 |
| 4 d2倍で断面係数8倍 | ×(誤り) | Z=bd²÷6なので4倍。8倍はIの倍率 |
| 5 d2倍で断面二次半径2倍 | ○(正しい) | i=d÷√12なので2倍 |
選択肢4はZに8倍を書いているので、Iの倍率を持ってきた形です。iは√(I÷A)でd÷√12なので、高さに比例して2倍です。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
高さを2倍にしたときの倍率
ZがIより1つ低い理由
断面係数は、断面二次モーメントを縁までの距離で割った量です。長方形なら縁までの距離がd÷2なので、Z=(bd³÷12)÷(d÷2)=bd²÷6です。
割る相手に高さが1つ入るので、指数が3から2へ下がります。この1段の差が、そのままこの設問の引っかけです。
応力とたわみで効き方が変わる
曲げ応力はσ=M÷Zなので、高さを2倍にすると4分の1です。たわみはIに反比例するので、同じ2倍で8分の1まで減ります。
はりを丈夫にしたいときに高さを増やすのが効くのは、この指数の差です。
覚え方
- I・Z・iの順に3乗・2乗・1乗と覚えます。幅bはどの量でも1乗なので、迷うのは高さ側だけです。
理解度チェック
高さを2倍にすると断面係数は何倍か。
4倍です。Z=bd²÷6で高さは2乗です。
断面二次モーメントと断面係数の指数はいくつ違うか。
1つです。ZはIを縁までの距離で割るためです。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」4ページ Ⅲ-6
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月