円形断面の片持ちばり|曲げ応力は直径の3乗、たわみは4乗
片持ちばりは、一端を固定して他端を自由にしたはりです。
荷重の載り方が同じなら、曲げモーメントもたわみの式の形も断面によらず決まります。
変わるのは断面の量だけ
| 求める量 | 式 | 断面の量 |
|---|---|---|
| 最大曲げ応力 | σ=M÷Z | 断面係数 Z |
| 最大たわみ | δ=(荷重と長さの項)÷(E・I) | 断面二次モーメント I |
荷重と長さが同じなら、分子は動きません。断面を変えたときに何乗で効くかは、ZとIの式だけを見れば決まります。
円形断面のZとI
直径dの円では、断面二次モーメントが I=π・d4÷64 です。断面係数は I を半径 d÷2 で割るので、Z=π・d3÷32 です。
Zは直径の3乗、Iは直径の4乗です。σはZで割るので直径の3乗に反比例、δはIで割るので直径の4乗に反比例します。
指数が1つずれるのは、Zを作るときに半径で1回割っているためです。
長方形に変えると高さの2乗
幅b、高さhの長方形では、I=b・h3÷12、Z=b・h2÷6 です。曲げ応力はZで割るので、高さの2乗に反比例します。
| 断面 | 曲げ応力 | たわみ |
|---|---|---|
| 円形(直径d) | dの3乗に反比例 | dの4乗に反比例 |
| 長方形(高さh) | hの2乗に反比例 | hの3乗に反比例 |
円と長方形で指数が1つずれるのは、円がdだけで面積も高さも決まるためです。
技術士一次ではこの形で出た
令和4年度 基礎科目Ⅰ-1-5が、円形断面の片持ちばりの語句を埋める設問でした。前半で円の直径の指数を問い、後半で長方形に変えたときの高さの指数を問う形で、正答は③です。
令和6年度 基礎科目Ⅰ-1-3は、その前半の一文だけを取り出した設問で、正答は①です。前半の一文は2年とも一字同じで、後半の長方形の部分が落としてあります。
設問番号もⅠ-1-5からⅠ-1-3へ動き、正答も③から①に変わっています。
長い設問を短く切り出して出し直す形は、この試験で確認できた再出題のなかでもこの1組だけです。
理解度チェック
なぜ曲げ応力とたわみで指数が1つずれるのか。
曲げ応力は断面係数Z、たわみは断面二次モーメントIで決まるためです。Zは I を半径で割った量なので、直径の指数が1つ下がります。
直径を2倍にするとたわみは何分の1になるか。
16分の1です。たわみは直径の4乗に反比例するためです。
長方形断面で曲げ応力は高さの何乗に反比例するか。
2乗です。Z=b・h²÷6 なので、高さの2乗で効きます。
まとめ
ZとIの式さえ出せば、指数を数えるだけで答えが決まります。
同じ設問が短く切り出されて出ているので、令和4年度の長いほうで練習しておくと両方に対応できます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」2ページ Ⅰ-1-3
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」3ページ Ⅰ-1-5
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」(令和4年度・令和6年度)
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月