Ⅰ-1-6は4年とも確率・統計|検定と相関係数と正規分布
この記事の要点
Ⅰ-1-6は令和4年度から令和7年度まで4年とも確率か統計を使う問題でした。
材料・構造で3問そろわない年の最後の1問はここで取ります。
1群は6問から3問を選びますが、材料・構造で取れるのは年によって2問しかありません。
足りない1問を安定して埋められるのが、確率と統計です。
4年のⅠ-1-6
| 年度 | 中身 | 正答 |
|---|---|---|
| 令和7年度 | 統計的検定 | ③ |
| 令和6年度 | 正規分布の和と差 | ③ |
| 令和5年度 | 相関係数 | ② |
| 令和4年度 | 期待価値の最大化 | ② |
令和4年度だけは確率を使った意思決定で、残り3年は統計そのものです。
第1種と第2種の誤り
| 誤り | 中身 |
|---|---|
| 第1種の誤り | 帰無仮説が真なのに棄却してしまう |
| 第2種の誤り | 帰無仮説が偽なのに棄却しない |
検定は、成立することを期待した仮説ではなく、否定したい側を帰無仮説に立てます。有意水準は一般に5%や1%で、30%のような大きな値は使いません。
母分散が未知のときのt分布の自由度は標本数nではなくn−1です。
相関係数で狙われる4点
決定係数は相関係数の2乗であって、絶対値ではありません。
相関係数の範囲は−1以上1以下で、両端を含みます。相関係数が0でも独立とは限らず、直線的な関係が無いことしか言えません。
相関の強さが変わっても、2つのデータの間の因果関係は変わりません。
正規分布は差でも分散を足す
独立な正規分布どうしを足すと、平均は和、分散も和です。引くときも分散は和のままで、平均だけが差です。
ばらつきは打ち消し合わないので、分散を引く形は誤りです。引張力と圧縮力が同時に働く棒の合力も、平均を引いて分散を足してから標準化します。
分布の選び方
| 場面 | 分布 |
|---|---|
| サイコロの目 | 一様分布 |
| 不良品の個数・事故の発生回数 | ポアソン分布 |
| 次に起こるまでの期間 | 指数分布 |
| コインを5回投げて表が出る回数 | 二項分布 |
回数を数えるものはポアソン分布で、正規分布とした記述は誤りです。
技術士一次ではこの形で出た
令和7年度 基礎科目Ⅰ-1-6の正答は③で、第1種と第2種の誤りを正しく述べた記述です。令和5年度Ⅰ-1-6の正答は②で、相関係数が0から1に近づくほど散布図が直線関係になるという記述です。
令和6年度Ⅰ-1-6の正答は③で、和は平均も分散も足し、差は平均を引いて分散は足す並びです。令和4年度はⅠ-1-2で分布の選び方、Ⅰ-1-3で正規分布の合力、Ⅰ-1-6で期待価値と、1群に確率が3問置かれていました。
理解度チェック
第1種の誤りとは何か。
帰無仮説が真であるにもかかわらず棄却してしまう誤りです。逆が第2種の誤りです。
決定係数と相関係数の関係は何か。
決定係数は相関係数の2乗です。絶対値ではありません。
独立な正規分布の差の分散はどうなるか。
足し算です。ばらつきは打ち消し合いません。
まとめ
Ⅰ-1-6は4年とも確率・統計です。ここを取れる状態にすれば、力学が2問の年でも3問そろいます。
覚える量は、誤りの2種類・決定係数の2乗・分散は常に足す、の3つで足ります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度〜令和7年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」令和4年度〜令和7年度
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ 4年ともⅠ-1-6を1問ずつ読み、正答と照合しました。令和3年度以前は確認していません。
※ この記事の確認日:2026年7月