座屈とは何が起きているか|曲げ形式の変形で横にたわむ
この記事の要点
圧縮荷重が限界値を越すと、真直ぐなままの変形様式が不安定になり、曲げ形式の変形に移ります。
移った先はねじれではなく曲げで、現象の名前は共振ではなく座屈です。
座屈は、細長い部材を押したときに横へ飛び出す壊れ方です。
材料が圧縮強度に達して潰れるのではなく、形が保てなくなって起きます。
荷重が小さいうちは純圧縮
真直ぐな細い針金を垂直に立てて上端から押す状況を考えます。荷重がきわめて小さければ、針金は真直ぐな形のまま純圧縮を受けます。
このとき横方向のたわみはゼロになります。
限界値を越すと形が切り替わる
荷重がある限界値を越すと、真直ぐな変形様式が不安定です。そこから曲げ形式の変形を生じ、横にたわみはじめます。
材料が壊れたのではなく、真直ぐでいるほうがエネルギー的に不利になった結果です。だから細くて長い部材ほど早く起きます。
取り違えやすい2語
| 語 | 何の現象か |
|---|---|
| 座屈 | 圧縮で真直ぐな形が不安定になり横にたわむ |
| 共振 | 加振の振動数が固有振動数に近づいて振幅が大きくなる |
| ねじれ | 軸まわりのモーメントによる変形 |
共振は動的な現象で、静的な圧縮荷重の話ではありません。横にたわむのは曲げなので、ねじれ形式とは書きません。
座屈は3か所に出る
| 科目 | 年度と設問 | 問い方 |
|---|---|---|
| 基礎科目1群 | 令和5年度 Ⅰ-1-2 | 現象の説明を語句で埋める |
| 基礎科目3群 | 令和6年度 Ⅰ-3-4 | 支持条件3種の座屈荷重を比べる |
| 建設部門 | 令和6年度 Ⅲ-5 | 長柱の座屈荷重を寸法で比べる |
令和6年度は基礎科目3群と建設部門の両方に座屈が出ています。現象の言葉と、座屈荷重の式の両方を持っておくと3か所で効きます。
技術士一次ではこの形で出た
令和5年度 基礎科目Ⅰ-1-2が、座屈の説明を4か所埋める設問で、正答は④です。小さい・越す・曲げ・座屈の並びで、ねじれを入れた選択肢と共振を入れた選択肢が誤りです。
荷重が大きければ真直ぐなまま、と書いた選択肢も向きが逆です。
理解度チェック
座屈で移る先はどの形式の変形か。
曲げ形式です。横にたわむ変形になり、ねじれではありません。
荷重が小さいうちは何が起きているか。
真直ぐな形のまま純圧縮を受けます。横方向のたわみは生じません。
共振と座屈はどこが違うか。
共振は振動数が関わる動的な現象、座屈は静的な圧縮荷重で形が不安定になる現象です。
まとめ
小さい荷重では純圧縮、限界値を越すと曲げ形式に切り替わります。これが座屈です。
座屈荷重をいくつと計算するかは別の設問で、そちらは支持条件と断面で決まります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」2ページ Ⅰ-1-2
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」Ⅰ-3-4
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」Ⅲ-5
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」(令和5年度・令和6年度)
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月