限界状態設計法|終局・使用・疲労の3つ
この記事の要点
最大耐力が終局、通常の供用や耐久性が使用、繰返し荷重が疲労です。
道路橋示方書の限界状態1・2・3とは別の体系で、同じ試験の別の科目に出ます。
限界状態設計法は、構造物に生じてはならない状態を先に決めて、その状態が起きないことを個々に照査する方法です。
1つの安全率でまとめて見るのではなく、状態ごとに別々に確かめる考え方です。
3つは何が起きる状態か
| 限界状態 | どういう状態か |
|---|---|
| 終局限界状態 | 最大耐力に対応する状態 |
| 使用限界状態 | 通常の供用または耐久性に関する状態 |
| 疲労限界状態 | 荷重が繰り返し作用することによって生じる状態 |
終局は壊れるかどうか、使用は使い続けられるかどうかを見ます。疲労は繰返しという言葉があるので迷いません。
迷うのは終局と使用の2つです。最大耐力と書いてあれば終局、耐久性やたわみと書いてあれば使用です。
道路橋示方書の限界状態1・2・3は別物
| 体系 | 分け方 | 出るところ |
|---|---|---|
| 限界状態設計法 | 終局・使用・疲労 | 基礎科目1群 |
| 道路橋示方書 | 限界状態1・2・3 | 建設部門 |
道路橋示方書のほうは、荷重を支持する能力がどれだけ残っているかで1・2・3と並びます。
限界状態1が能力の損なわれていない状態、2が部分的に低下しても想定の範囲、3が超えると構造安全性を失う状態です。どちらも限界状態という言葉を使いますが、分ける切り口が違います。
同じ試験の基礎科目と専門科目に別々に出るので、名前だけで結び付けません。
技術士一次ではこの形で出た
令和6年度 基礎科目Ⅰ-1-2が、3つの記述をそれぞれの限界状態に対応させる設問で、正答は②です。通常の供用または耐久性が使用限界状態、繰返し荷重が疲労限界状態、最大耐力が終局限界状態という並びです。
選択肢は3つの名前を入れ替えた5通りが並ぶだけなので、対応さえ持っていれば計算はいりません。建設部門では令和4年度Ⅲ-9に道路橋示方書の限界状態1・2・3が出ています。
理解度チェック
最大耐力に対応するのはどの限界状態か。
終局限界状態です。壊れるかどうかを見る状態です。
たわみやひび割れ幅の照査はどの限界状態か。
使用限界状態です。通常の供用や耐久性に関する状態です。
限界状態1・2・3はどの体系か。
道路橋示方書の分け方です。終局・使用・疲労とは切り口が違うので、名前で結び付けません。
まとめ
終局は最大耐力、使用は供用と耐久性、疲労は繰返しです。3語で決まります。
限界状態という言葉が2つの体系で使われている点だけ、先に分けておきます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」2ページ Ⅰ-1-2
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-9
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」(令和4年度・令和6年度)
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月