比強度|強度を密度で割る。鉄鋼とCFRPの比較
この記事の要点
比強度は強度を密度で割った値です。割る向きを逆にした選択肢が必ず混ざります。
CFRPは比強度が高いが、比強度当たりの価格は鉄鋼の約10倍です。
比強度は、同じ重さでどれだけの強度を出せるかを表す値です。
一定の強度を保ちつつ軽くできれば、エネルギー消費や輸送コストが下がります。
割る向きは単位で決まる
強度を密度で割ると、単位重量あたりの強度です。密度を強度で割ると意味のある量になりません。
軽いほど比強度が高くなってほしいので、密度は分母に来ます。
鉄鋼とCFRPを数字で比べる
| 材料 | 価格 | 密度 | 強度 |
|---|---|---|---|
| 鉄鋼 | 60円/kg | 7,900kg/m3 | 400MPa |
| CFRP | 16,000円/kg | 1,600kg/m3 | 2,000MPa |
比強度は鉄鋼が400÷7,900で約0.051、CFRPが2,000÷1,600で1.25です。CFRPのほうが約25倍高いです。
比強度当たりの価格で見ると逆転しない
価格を比強度で割ると、同じ比強度を買うのにいくらかかるかが出ます。鉄鋼は60÷0.051で約1,200、CFRPは16,000÷1.25で12,800です。
比は12,800÷1,200で約10倍になります。
| 見る量 | どちらが有利か | 差 |
|---|---|---|
| 比強度 | CFRP | 約25倍 |
| 比強度当たりの価格 | 鉄鋼 | 約10倍 |
軽くできるかどうかと、安くできるかどうかは別の話です。
技術士一次ではこの形で出た
令和5年度 基礎科目Ⅰ-1-1が、比強度の定義と数値を埋める設問で、正答は⑤です。強度を密度・CFRP・10の並びで、割る向きを逆にした選択肢と、倍率を2にした選択肢が誤りです。
倍率は10と2の二択なので、桁だけ合わせれば計算を最後まで詰めなくても選べます。
理解度チェック
比強度はどちらで割るか。
強度を密度で割ります。軽いほど値が大きくなる向きです。
CFRPの比強度は鉄鋼の何倍か。
約25倍です。1.25と約0.051の比です。
比強度当たりの価格ではどちらが有利か。
鉄鋼です。CFRPは約10倍かかるので、軽さと安さは別に見ます。
まとめ
比強度は強度÷密度です。CFRPは軽くできますが、同じ比強度を買う値段は約10倍になります。
材料選定の設問は、有利な向きが量によって入れ替わる点が問われています。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」1ページ Ⅰ-1-1
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ 価格・密度・強度の数値は上記の設問で与えられた条件です。
※ この記事の確認日:2026年7月