平面応力と平面ひずみの違い|0になる量が名前になっている
この記事の要点
平面応力は面外方向の応力が0、平面ひずみは面外方向のひずみが0になる状態です。
名前が0になる量をそのまま指しているので、そこを軸にすれば取り違えません。
平面応力状態と平面ひずみ状態は、3次元の問題を2次元に落とすための近似です。
どちらも面外方向の何かを0と置きますが、0にする量が違います。
対応する形が決まっている
| 状態 | 対象の形 | 0とする量 | 0にならないほう |
|---|---|---|---|
| 平面応力 | 薄い平板が面内荷重を受ける | 板厚方向の応力 | 板厚方向のひずみ |
| 平面ひずみ | 長い柱が長さ方向に一様な荷重を受ける | 長さ方向のひずみ | 長さ方向の応力 |
薄い板は面外に自由に薄くなれるので、応力は生じませんが、ひずみは生じます。長い柱は長さ方向に動けないので、ひずみは生じませんが、応力は生じます。
自由に変形できる向きは応力が0、拘束されている向きはひずみが0です。形を見れば、どちらが0か決まります。
技術士一次ではこの形で出た
令和7年度の基礎科目Ⅰ-1-4が、この2語の記述を選ばせる設問でした。選択肢は「薄い平板/長い柱」と「応力/ひずみ」と「平面応力/平面ひずみ」を組み替えた5つになっています。
正答は「非常に薄い平板が面内荷重を受ける場合、応力の平板厚さ方向成分は無視してよいです。これを平面応力状態という」でした。
誤答は組合せをずらしてある
残る4つは、形と量と名前のどれか1つを入れ替えて作られています。たとえば「長い柱で応力の長さ方向成分を無視するのが平面応力」は、形と名前が合っていません。
上の表の行を1本ずつ照らせば、消していけます。
実務ではどちらを使うか
擁壁や堤防のように、断面が同じ形で長く続く構造は平面ひずみで解きます。面内で荷重を受ける薄い鋼板は平面応力です。
解析ソフトで2次元要素を選ぶとき、この設定を間違えると剛性が変わります。
理解度チェック
薄い平板の板厚方向には、ひずみは生じるか。
生じます。面内に引っ張ればポアソン効果で板は薄くなるので、応力が0でもひずみは0になりません。
長い柱の長さ方向には、応力は生じるか。
生じます。長さ方向に伸び縮みできないため、それを止める向きの応力が働きます。
トンネルの横断面を2次元で解くとき、どちらを使うか。
平面ひずみです。同じ断面が奥行き方向に続いていて、その向きのひずみが生じないとみなせるためです。
まとめ
応力が0になるのが平面応力、ひずみが0になるのが平面ひずみです。
薄い板は自由に変形できるから応力が0、長い柱は拘束されるからひずみが0になります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」3ページ Ⅰ-1-4
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月