2/3多数決冗長系の信頼度とフェールセーフの4語
この記事の要点
2/3多数決冗長系の信頼度は 3p2(1−p)+p3です。ちょうど2個正常と3個正常を足します。
4語の分かれ目は故障時の話か、人為的な過失の話かです。
2/3多数決冗長系は、同じ機能の要素を3個並べ、2個以上が正常なら系が正常に動く構成です。
同じものを増やして全体の信頼度を上げる考え方です。
足すのは2個正常と3個正常の2つ
系が正常なのは、正常な要素がちょうど2個の場合と3個の場合です。ちょうど2個の確率は、どの1個が故障するかで3通りあるので 3p2(1−p) です。
3個とも正常な確率は p3 です。
| 正常な要素の数 | 確率 |
|---|---|
| 3個 | p3 |
| ちょうど2個 | 3p2(1−p) |
要素の信頼度が0.7なら、3×0.49×0.3=0.441 と 0.343 を足して0.784です。
1つの要素の0.7より高くなります。冗長化した系が元の要素を下回る答えを選んだら計算がどこかで間違っています。
3個の要素が独立であることが前提
この式は各要素の故障が互いに独立であることを使っています。同じ原因で3個とも同時に壊れる場合は、この計算が成り立ちません。
4語は故障時か過失かで分かれる
| 語 | 何を指すか |
|---|---|
| フェールセーフ | 故障時に安全を保つことができる性質 |
| フェールソフト | 故障または故障が差し迫る場合に、影響を受ける機能を優先順位を付けて徐々に終了できる性質 |
| フールプルーフ | 人為的に不適切な行為や過失が起こっても、信頼性と安全性を保持する性質 |
| フォールトトレランス | 幾つかのフォールトが存在しても機能し続けられる能力 |
前の3語のうち、フェールで始まる2つは故障が起きたあとの話です。
フールプルーフだけは人の操作ミスが相手で、故障の話ではありません。フェールソフトとフォールトトレランスは、どちらも動き続ける方向ですが、片方は徐々に落とし、もう片方は機能を保ちます。
技術士一次ではこの形で出た
令和5年度 基礎科目Ⅰ-1-4が、要素の信頼度0.7の2/3多数決冗長系の信頼度を範囲で選ぶ設問で、正答は④です。0.784なので、0.75以上0.8未満の範囲に入ります。
令和5年度 基礎科目Ⅰ-1-5は、4つの記述と用語を対応させる設問で、正答は①です。同じ年の1群に、計算1問と用語1問が並んで置かれていました。
理解度チェック
2/3多数決冗長系で足すのはどの場合か。
正常な要素がちょうど2個の場合と3個の場合です。2個の場合は組合せが3通りあります。
系の信頼度が要素の信頼度より下がることはあるか。
この構成では、全体の信頼度が1つの部品の信頼度を下回りません。下回る答えが出たら計算を見直します。
フールプルーフだけ他と違う点は何か。
相手が故障ではなく人為的な不適切な行為や過失であることです。
まとめ
3p2(1−p)+p3 を書ければ計算1回で終わります。0.7なら0.784です。
4語は、故障が相手か人が相手かで先に2つに割ると迷いません。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」3ページ Ⅰ-1-4
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」4ページ Ⅰ-1-5
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月