令和2年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-3 を解説、定水位透水試験の透水係数
令和2年度 建設部門Ⅲ-3は、定水位透水試験の模式図から、砂の供試体の透水係数kを表す式を選ぶ設問です。
この問題のポイント
ダルシーの法則はQ=k×i×Aで、動水勾配iは水頭差hを長さLで割った値です。
代入するとQ=k×(h÷L)×Aで、kについて解くとk=QL÷(hA)です。分子にL、分母にhとAがくる形だと押さえれば1本に決まります。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢1(適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の透水|ダルシーの法則と動水勾配
各選択肢の正誤
正しいのは1つで、残る4つはどこかが違います。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 QL÷(hA) | ○(正しい) | Q=k×(h÷L)×Aをkについて解いた形 |
| 2 Qh÷(LA) | ×(誤り) | hとLが入れ替わっている。いちばん多い間違い |
| 3 Q÷(AhL) | ×(誤り) | Lを分母に入れている |
| 4 QLA÷h | ×(誤り) | 断面積Aが分子にある |
| 5 QhA÷L | ×(誤り) | hもAも分子にあり、動水勾配の形になっていない |
hとLを入れ替えると選択肢2になり、これがいちばん多い間違いです。残る3つはLを分母に入れたり、AやLを分子に置いたりした形です。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
式を組み立てる
動水勾配は「水頭差÷距離」
動水勾配は水頭差を、水が流れた距離で割った無次元量です。分子が水頭差h、分母が供試体の長さLになります。
この向きを覚えていれば、hとLの入れ替えはその場で切れます。水頭差が大きいほど、また供試体が短いほど水は速く流れます。
次元で確かめる
透水係数は速度の次元で、単位はcm/秒などです。QL÷(hA)の次元は、体積÷時間×長さ÷(長さ×面積)で長さ÷時間になります。
選択肢4のQLA÷hは長さの3乗が余るので、次元が合いません。
★令和7年度Ⅲ-1も定水位透水試験
令和7年度のⅢ-1も同じ定水位透水試験で、ダルシーの法則を記号に置き換える設問でした。2年度で同じ試験が出ているので、この式は1本持っておく価値があります。
Ⅲ-1からⅢ-3までは土質の基本量を1つ出させる位置です。
覚え方
- ダルシーの法則は Q=k×(h÷L)×A
- 動水勾配は「水頭差÷流れた距離」(分子がh・分母がL)
- 透水係数は速度の次元(次元を数えれば形が絞れる)
理解度チェック
動水勾配はどう定義されるか。
水頭差を、水が流れた距離で割った値です。
透水係数の式はどうなるか。
k=QL÷(hA)です。分子にL、分母にhとAがきます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」2ページ Ⅲ-3
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月