令和2年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-18 を解説、摩擦損失は管径に反比例する
令和2年度 建設部門Ⅲ-18は、円形断面の管路流れの損失水頭を5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
この設問は令和5年度Ⅲ-19に同じ5つの記述が出ていて、設問番号も選択肢の並びも変わっています。1番目だけ令和5年度が「摩擦による損失水頭と局所的な渦や乱れによる損失水頭」と書いています。
ダルシー・ワイスバッハの式hf=f×(L÷D)×v²÷2gで、管径Dは分母です。だから摩擦による損失水頭は管径に反比例します。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も不適切なもの)
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 摩擦損失と局所損失 | ○(正しい) | 管内の損失水頭は、摩擦によるものと局所的な渦や乱れによるものに分かれる |
| 2 管径との関係 | ×(誤り) | hf=f×(L÷D)×v²÷2gでDは分母。管径に反比例する |
| 3 管長との関係 | ○(正しい) | 式のLは分子なので、管の長さに比例する |
| 4 摩擦損失係数 | ○(正しい) | マニングの式などの経験式が広く用いられている |
| 5 曲がりや弁の損失 | ○(正しい) | 断面平均流速の2乗に比例して大きくなる |
選択肢2は比例と書いているので、そこで切れます。令和5年度は同じ5肢がⅢ-19に出て、正答は選択肢3でした。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
★同じ設問が2年度に出ている
式の分母と分子で3つ片付く
ダルシー・ワイスバッハの式は、hf=f×(L÷D)×v²÷2gの形です。分子にあるのはLとv²で、分母にあるのはDと2gです。
分子の量は比例、分母の量は反比例と読めば、3つの記述を同時に処理できます。太い管ほど流れやすく損失が小さいという実感とも合います。
★水理の3問は番号が動く
令和2年度はⅢ-18が管路、Ⅲ-19が開水路です。令和5年度はⅢ-18が河川の流出解析、Ⅲ-19が管路になっています。
土質・構造・コンクリートは番号の定位置が固いのに、水理だけ順番が入れ替わります。Ⅲ-17からⅢ-19は3問まとめて用意しておくほうが安全です。
覚え方
- 損失水頭は「長いほど大きく、太いほど小さい」で覚えます。比例と書いてある記述に出会ったら、分母側の量かどうかを見ます。
理解度チェック
摩擦による損失水頭と管径の関係はどうなるか。
反比例です。ダルシー・ワイスバッハの式で管径Dは分母にあります。
局所損失は流速とどう関係するか。
断面平均流速の2乗に比例します。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」10ページ Ⅲ-18
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月