令和2年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-6 を解説、I形断面の断面二次モーメント
令和2年度 建設部門Ⅲ-6は、x軸に対して上下対称なI形断面の、x軸まわりの断面二次モーメントを選ぶ設問です。
この問題のポイント
この設問は令和5年度Ⅲ-6と同一問題で、選択肢の並びだけが違います。
外形の長方形bhからくぼみを引く形で、引くのは幅b−t・高さwの長方形1つ分です。左右のくぼみは幅の合計がb−tなので、2つに分けて数えると幅を二重に数えます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:断面二次モーメント|断面係数との違いと効き方
各選択肢の正誤
正しいのは1つで、残る4つはどこかが違います。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 bh³÷12 | ×(誤り) | 外形の長方形だけで、くぼみを引いていない |
| 2 bh−(b−t)w | ×(誤り) | 3乗が無く、これは面積の式 |
| 3 tw³÷12 | ×(誤り) | ウェブだけを見た形。フランジが入っていない |
| 4 (bh³−(b−t)w³)÷12 | ○(正しい) | 外形の長方形からくぼみ1つ分を引いた形 |
| 5 (b−t)w³÷12 | ×(誤り) | くぼみだけを取り出した形 |
だから式はbh³÷12から(b−t)w³÷12を引いた形です。令和5年度の正答は選択肢5で、令和2年度は選択肢4です。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
★同じ設問が2年度に出ている
引くのは長方形1つ分
くぼみは左右に2か所ありますが、幅を合計すると(b−t)の1つ分です。高さはどちらもwなので、幅(b−t)・高さwの長方形1つと同じ扱いにできます。
左右を別に引くと、くぼみを2倍引いた式になってしまいます。
次元を数えるだけで落とせる選択肢
断面二次モーメントの単位は長さの4乗です。選択肢2のbh−(b−t)wは長さの2乗で、面積の次元しかありません。
式を覚えていなくても、次元を数えるだけで1つ消えます。
番号でなく形で覚える
令和5年度と令和2年度で、正答の番号は5と4に分かれています。覚えるのは「外形から中抜き」という形のほうです。
同じ考えで、箱形断面は外側の長方形から内側の長方形を引きます。
覚え方
- 中空断面は外形から空洞を引く
- I形のくぼみは左右あるが、幅を足せば(b−t)の1つ分
- 断面二次モーメントは高さの3乗で効く
理解度チェック
引く長方形の寸法は何か。
幅がb−t、高さがwです。左右のくぼみを合わせて1つ分として扱います。
次元で落とせる選択肢はどれか。
長さの2乗のものです。断面二次モーメントは長さの4乗になります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」4ページ Ⅲ-6
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月