令和2年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12 を解説、アルカリシリカ反応はアルカリ性で膨張
令和2年度 建設部門Ⅲ-12は、コンクリート構造物の劣化現象を5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
この設問は令和4年度Ⅲ-12と同一問題で、選択肢の並びだけが違います。
アルカリシリカ反応はアルカリ性水溶液と反応して異常膨張します。選択肢5は「酸性水溶液」と「異常な収縮」の2か所を同時に逆にしています。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:コンクリートの劣化機構|寒冷地域は凍害、ASRはアルカリ性で膨張
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 凍害 | ○(正しい) | 水分の凍結と融解の繰返しでスケーリング・微細ひび割れ・ポップアウトが生じる |
| 2 化学的侵食 | ○(正しい) | 酸性物質や硫酸イオンで硬化体が分解し、化合物生成時の膨張圧で劣化する |
| 3 床版の疲労 | ○(正しい) | 道路橋の鉄筋コンクリート床版が輪荷重の繰返しでひび割れや陥没を生じる |
| 4 塩害 | ○(正しい) | 塩化物イオンで鋼材腐食が促進され、ひび割れ・剥離・断面減少に至る |
| 5 アルカリシリカ反応 | ×(誤り) | アルカリ性水溶液と反応して異常膨張する。酸性・収縮は逆 |
名前にアルカリが入っているので、酸性と書いてあれば読んだ時点で切れます。令和4年度の正答は選択肢3で、令和2年度は選択肢5です。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
★同じ設問が2年度に出ている
2か所を同時に崩す作り方
アルカリシリカ反応で狙われるのは、反応する相手と体積変化の2つです。相手をアルカリ性から酸性へ、変化を膨張から収縮へ入れ替えると1つの誤り肢ができます。
どちらか一方に気づけば切れるので、正答としては見つけやすい側です。令和4年度・令和5年度・令和7年度のⅢ-12でも、この2語のどちらかが狙われています。
酸性は化学的侵食の側
酸性物質や硫酸イオンで硬化体が分解するのは化学的侵食です。選択肢2にその説明が正しく書かれているので、選択肢5と並べると相手が重なります。
同じ相手が2か所に出てきたら、片方が入れ替えられています。
覚え方
- アルカリシリカ反応は名前のとおりアルカリ性で、膨張すると覚えます。酸で分解するほうは化学的侵食です。
理解度チェック
アルカリシリカ反応は何と反応するか。
アルカリ性水溶液です。骨材中の反応性シリカ鉱物が反応します。
起きる体積変化はどちらか。
異常膨張です。収縮ではありません。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」7ページ Ⅲ-12
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月