平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12 を解説、プレとポストは打込みに対する緊張の前後
平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12は、プレストレストコンクリートに関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、PC構造の考え方と2つの緊張方式の手順を問うものです。引っかけの核心は誤りの4つがどれも1語だけ反転させてある点で、正しい1つを選ぶ形なので4つとも見抜く必要があります。
特に④と⑤はプレテンションとポストテンションの説明が丸ごと入れ替えてあります。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:RC造とPC造|ひび割れの扱いが違う
各選択肢の正誤
正しいのは1つで、残る4つはどこかが違います。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 ひび割れ性能の改善や断面縮小に不利 | ×(誤り) | 「不利」が逆。ひび割れを抑えられ断面も小さくできる |
| 2 PRC構造は鉄筋応力度の増加量を拡大させる | ×(誤り) | 「拡大」が逆。プレストレスは増加量を低減する |
| 3 PC構造はひび割れを許さない前提で縁応力度を制御 | ○(正しい) | 使用性の照査でひび割れの発生を許さない構造 |
| 4 プレテンションは1本ずつ順次緊張する | ×(誤り) | 順次緊張はポストテンションの説明 |
| 5 ポストテンションは複数を同時に解放する | ×(誤り) | 同時解放はプレテンションの説明 |
選択肢1と2は形容する語を1つ反転させただけです。選択肢4と5は方式の名前を入れ替えてあります。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
名前の「プレ」と「ポスト」は、コンクリートの打込みに対して緊張が先か後かを指しています。ここを押さえれば④と⑤はその場で切れます。
プレテンション方式は緊張材を先に張った状態でコンクリートを打ち、硬化後に複数を同時に解放して付着で力を伝えます。ポストテンション方式は打込み・硬化のあとにシース内の緊張材を1本ずつ順次緊張します。
「最も適切なもの」を選ぶ形なので、4つの反転を全部見抜かないと正しい1つに辿り着けません。
覚え方
- 「プレ」「ポスト」は打込みに対する緊張の前後
- プレテンションは同時解放・付着で伝える
- ポストテンションは順次緊張・定着具で伝える
理解度チェック
プレテンション方式とポストテンション方式の違いは何か。
コンクリートの打込みに対して緊張が先か後かです。プレは打込み前、ポストは硬化後に緊張します。
PRC構造でプレストレスは鉄筋応力度にどう働くか。
増加量を低減する方向に働きます。拡大させるわけではありません。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-12
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成30年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 飽和度の式は含水比が分子
- Ⅲ-2 地下水では速度水頭が無視できる
- Ⅲ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮強度の半分
- Ⅲ-4 土被り圧は鉛直応力
- Ⅲ-5 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-6 耐候性鋼材は腐食性の低い環境で使う
- Ⅲ-7 上向き溶接は避ける
- Ⅲ-8 三角形分布荷重は2次と3次に分かれる
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 暑いほど打ち終わるまでの時間は短い
- Ⅲ-11 中性化はpHを低下させる
- Ⅲ-12|プレとポストは打込みに対する緊張の前後
- Ⅲ-17 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
- Ⅲ-18 マニングの式で流速は粗度係数に反比例
- Ⅲ-19 効くのは点Cと点Bの高さの差
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