平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-5 を解説、断面二次半径は幅に依存しない
平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-5は、幅b・高さdの長方形断面について断面諸量の変化を問う問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、断面諸量が幅と高さのどちらに何乗で効くかを問うものです。引っかけの核心は断面二次半径だけ幅に依存しない点にあります。
残る4つは断面積・断面二次モーメント・断面係数の倍率で、いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:断面二次モーメント|たわみの分母に入る量
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 d・bを2倍で断面積4倍 | ○(正しい) | A=bd なので2×2=4倍 |
| 2 bを2倍でIが2倍 | ○(正しい) | I=bd³÷12 でbは1乗 |
| 3 d・bを2倍でIが16倍 | ○(正しい) | bで2倍、dの3乗で8倍、合わせて16倍 |
| 4 dを2倍でZが4倍 | ○(正しい) | Z=bd²÷6 でdは2乗 |
| 5 bを2倍で断面二次半径が2倍 | ×(誤り) | i=√(I÷A)=d÷√12 で、bは約分で消える |
選択肢5だけが幅bの効き方を取り違えています。ほかの4つは倍率が正しく計算されています。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
断面二次半径は i=√(I÷A) で定義されます。長方形なら √((bd³÷12)÷(bd)) となり、bが分子と分母で約分されて消えます。
残るのは √(d²÷12)=d÷√12 で、高さdだけの量です。だから幅を2倍にしても値は変わりません。
令和4年度Ⅲ-6も長方形断面の断面諸量で、①②③が一字も変わらず④と⑤だけ差し替えてあります。
覚え方
- 断面二次半径 i=d÷√12 は高さだけの量
- Aは1乗・Iは3乗・Zは2乗(いずれも高さ側)
- 幅bはA・I・Zのすべてで1乗、iだけ効かない
理解度チェック
幅bを2倍にすると断面二次半径はどうなるか。
変わりません。i=d÷√12 で幅が約分されて消えるためです。
高さdを2倍にすると断面係数は何倍か。
4倍です。Z=bd²÷6 でdが2乗で効きます。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-5
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成30年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 飽和度の式は含水比が分子
- Ⅲ-2 地下水では速度水頭が無視できる
- Ⅲ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮強度の半分
- Ⅲ-4 土被り圧は鉛直応力
- Ⅲ-5|断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-6 耐候性鋼材は腐食性の低い環境で使う
- Ⅲ-7 上向き溶接は避ける
- Ⅲ-8 三角形分布荷重は2次と3次に分かれる
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 暑いほど打ち終わるまでの時間は短い
- Ⅲ-11 中性化はpHを低下させる
- Ⅲ-12 プレとポストは打込みに対する緊張の前後
- Ⅲ-17 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
- Ⅲ-18 マニングの式で流速は粗度係数に反比例
- Ⅲ-19 効くのは点Cと点Bの高さの差
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