平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-9 を解説、床版に載せるのはT荷重
平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-9は、道路橋の設計で考慮する作用に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、道路橋示方書に定められた作用の扱いを問うものです。引っかけの核心は床版に載せる活荷重の名前で、形の説明は合っているのに名前だけ入れ替えてあります。
残る4つはB活荷重・吊橋の衝撃・支点移動の影響・温度昇降で、いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:道路橋の床版|T荷重は集中荷重
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 B活荷重を適用する道路の区分 | ○(正しい) | 高速自動車国道や一般国道などが対象 |
| 2 吊橋の主ケーブルと補剛桁は衝撃を考慮しない | ○(正しい) | たわみやすく衝撃の影響が小さい部材 |
| 3 長期の支点移動・回転の影響 | ○(正しい) | 不静定構造物では適切に考慮する |
| 4 床版・床組に集中荷重(L荷重)を載荷 | ×(誤り) | 集中荷重という説明は正しいが、名前はT荷重 |
| 5 温度昇降は基準温度から地域別の平均気温で定める | ○(正しい) | 温度変化による作用の考え方 |
選択肢4は「集中荷重」という形の説明が正しいので、括弧の中の名前だけを見ないと切れません。歩道の群集荷重を等分布とする点も正しく書かれています。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
床版と床組は車輪が直接載る部材なので、車輪の位置に集中して働くT荷重で設計します。L荷重は主桁など長い部材に使う等分布荷重と線荷重の組合せです。
この設問は形の説明を正しいまま残して名前だけを差し替えており、本文をいくら丁寧に読んでも括弧を見なければ取れません。
この入れ替えは平成23年度Ⅳ-9・平成26年度Ⅲ-10・平成29年度Ⅲ-9・平成30年度・令和4年度Ⅲ-7・令和6年度Ⅲ-9の6つの年度に出ています。令和2年度Ⅲ-9では逆に、名前をT荷重のまま形を等分布荷重と書いて崩していました。
覚え方
- 床版・床組はT荷重(集中荷重)、主桁はL荷重
- L荷重は等分布荷重と線荷重の組合せ
- 名前と形のどちらを崩してあるかを両方確かめる
理解度チェック
床版と床組に載せる活荷重は何か。
T荷重です。車輪の位置に働く集中荷重として扱います。
L荷重はどんな形の荷重か。
等分布荷重と線荷重の組合せで、主桁などの設計に使います。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-9
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成30年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 飽和度の式は含水比が分子
- Ⅲ-2 地下水では速度水頭が無視できる
- Ⅲ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮強度の半分
- Ⅲ-4 土被り圧は鉛直応力
- Ⅲ-5 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-6 耐候性鋼材は腐食性の低い環境で使う
- Ⅲ-7 上向き溶接は避ける
- Ⅲ-8 三角形分布荷重は2次と3次に分かれる
- Ⅲ-9|床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 暑いほど打ち終わるまでの時間は短い
- Ⅲ-11 中性化はpHを低下させる
- Ⅲ-12 プレとポストは打込みに対する緊張の前後
- Ⅲ-17 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
- Ⅲ-18 マニングの式で流速は粗度係数に反比例
- Ⅲ-19 効くのは点Cと点Bの高さの差
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