平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-17 を解説、圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-17は、単一管路の定常流れに関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、管路の水頭がどう決まるかを問うものです。引っかけの核心は圧力水頭がゼロになったときに流れが止まるかで、中断すると書いてあります。
残る4つは断面積と速度水頭・流量の一定・ピエゾ水頭の定義・傾きとの無関係で、いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理|3つの水頭の和が一定
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 断面積が大きくなると速度水頭は減少 | ○(正しい) | 連続式から流速が落ちるため |
| 2 断面積が小さくなっても流量は変化しない | ○(正しい) | 流量は場所によらず一定 |
| 3 圧力水頭がゼロになると流れは中断する | ×(誤り) | ゼロは大気圧と同じという意味。負圧でも流れ続ける |
| 4 ピエゾ水頭は位置水頭と圧力水頭の和 | ○(正しい) | 全水頭から速度水頭を除いた高さ |
| 5 ピエゾ水頭や全水頭は管路の傾きと無関係 | ○(正しい) | 基準面からの高さで決まる量 |
選択肢3だけが現象の起き方を取り違えています。ほかの4つは連続式とピエゾ水頭の定義そのものです。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
圧力水頭がゼロというのは、その点の圧力が大気圧と同じという意味でしかありません。流れが止まる条件ではありません。
サイフォンでは管の頂部で圧力が大気圧より下がり、負圧になります。それでも水は流れ続けます。
ただし負圧が大きくなりすぎると水中の空気が出てきて水柱が切れます。実務ではそこが限界です。
覚え方
- 圧力水頭ゼロ=大気圧と同じ。流れは止まらない
- ピエゾ水頭=位置水頭+圧力水頭(速度水頭を含まない)
- 水頭は基準面からの高さで決まるので管の傾きに依存しない
理解度チェック
Q.
圧力水頭がゼロになると流れはどうなるか。
止まりません。ゼロは大気圧と同じという意味です。
Q.
ピエゾ水頭とは何か。
位置水頭と圧力水頭の和です。全水頭から速度水頭を除いた高さです。
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出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」8ページ Ⅲ-17
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成30年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 飽和度の式は含水比が分子
- Ⅲ-2 地下水では速度水頭が無視できる
- Ⅲ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮強度の半分
- Ⅲ-4 土被り圧は鉛直応力
- Ⅲ-5 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-6 耐候性鋼材は腐食性の低い環境で使う
- Ⅲ-7 上向き溶接は避ける
- Ⅲ-8 三角形分布荷重は2次と3次に分かれる
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 暑いほど打ち終わるまでの時間は短い
- Ⅲ-11 中性化はpHを低下させる
- Ⅲ-12 プレとポストは打込みに対する緊張の前後
- Ⅲ-17|圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
- Ⅲ-18 マニングの式で流速は粗度係数に反比例
- Ⅲ-19 効くのは点Cと点Bの高さの差
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