平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-10 を解説、暑いほど打ち終わるまでの時間は短い
平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-10は、コンクリートの品質と施工に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、配合と施工に関わる数値を押さえているかを問うものです。引っかけの核心は気温と打ち終わるまでの時間の向きで、暑いほど余裕があるように書いてあります。
残る4つは材齢28日・設計基準強度を下回る確率・水セメント比の上限・空気量で、いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:フレッシュコンクリート|スランプと単位水量
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 強度は材齢28日の標準養生供試体 | ○(正しい) | 強度を表すときの標準的な材齢 |
| 2 設計基準強度を下回る確率は5%以下 | ○(正しい) | 土木構造物で一般に用いられる値 |
| 3 水セメント比は65%以下で最小の値 | ○(正しい) | 強度と抵抗性から定まる値のうち最小を取る |
| 4 空気量は練上がり時に4〜7% | ○(正しい) | 粗骨材の最大寸法などに応じて決める |
| 5 25℃を超えるときで3時間以内 | ×(誤り) | 正しくは1.5時間以内。25℃以下の2時間より短くする |
選択肢5は2つの数字が並んでいますが、大小の向きだけを見れば足ります。暑いほど余裕があるという書き方が成り立ちません。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
気温が高いとセメントの水和が速く進み、運搬している間に固まり始めます。だから暑いほど打ち終わるまでの時間を切り詰める必要があります。
25℃以下で2時間以内、25℃を超えるときは1.5時間以内が標準です。書いてある3時間は逆向きの値になります。
③の65%、④の4〜7%、②の5%はどれも正しい数字です。この設問は4つの数値を覚えているかではなく、1つの向きに気づけるかを見ています。
覚え方
- 打ち終わるまでの時間は25℃以下で2時間・超えると1.5時間
- 暑いほど短い(水和が速く進むため)
- 2つの数字が並ぶ肢は大小の向きだけで切れることがある
理解度チェック
外気温が25℃を超えるとき、打ち終わるまでの時間は何時間以内か。
1.5時間以内です。25℃以下の2時間より短くします。
なぜ暑いほど短くするのか。
気温が高いとセメントの水和が速く進み、運搬中に固まり始めるためです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-10
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成30年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 飽和度の式は含水比が分子
- Ⅲ-2 地下水では速度水頭が無視できる
- Ⅲ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮強度の半分
- Ⅲ-4 土被り圧は鉛直応力
- Ⅲ-5 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-6 耐候性鋼材は腐食性の低い環境で使う
- Ⅲ-7 上向き溶接は避ける
- Ⅲ-8 三角形分布荷重は2次と3次に分かれる
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10|暑いほど打ち終わるまでの時間は短い
- Ⅲ-11 中性化はpHを低下させる
- Ⅲ-12 プレとポストは打込みに対する緊張の前後
- Ⅲ-17 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
- Ⅲ-18 マニングの式で流速は粗度係数に反比例
- Ⅲ-19 効くのは点Cと点Bの高さの差
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