平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-1 を解説、飽和度の式は含水比が分子
平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-1は、土の基本的性質に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、三相図から出てくる量の定義を式の形で押さえているかを問うものです。引っかけの核心は飽和度の分子と分母で、間隙比と含水比を入れ替えた形が置いてあります。
残る4つは間隙率・粒度と含水比の効き方・土粒子の密度・間隙比の定義で、いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の三相|含水比も間隙比も分母は土粒子
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 間隙率 n=e÷(1+e)×100 | ○(正しい) | 間隙比から間隙率への変換式そのもの |
| 2 飽和度 Sr=eρw÷(wρs)×100 | ×(誤り) | 分子と分母が逆。正しくは Sr=wρs÷(eρw)×100 |
| 3 粗粒土は粒度分布・細粒土は含水比 | ○(正しい) | 粒の粗さで効く量が変わるという正しい説明 |
| 4 土粒子の密度は単位体積当たりの平均質量 | ○(正しい) | 密度の定義どおり |
| 5 間隙比 e=ρs÷ρd −1 | ○(正しい) | 乾燥密度 ρd=ρs÷(1+e) をeについて解いた形 |
選択肢2は分数の向きだけが違い、ほかの語句はすべて正しく並んでいます。式の形を覚えていないと気づけません。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
飽和度と間隙比と含水比のあいだには Sr×e = w×ρs÷ρw という関係が成り立ちます。ここから飽和度を出すので、wρs が分子に来ます。
間隙比eは分母に残り、水の密度ρwも分母です。書いてある式はその両方を入れ替えた形になっています。
令和3年度Ⅲ-1も「飽和度の式は含水比が分子」を問うており、同じところを2回突いています。
覚え方
- 飽和度は Sr×e = w×ρs÷ρw から起こす
- 分子に来るのは含水比と土粒子密度
- 分数を見たら「何で割るか」を1つずつ確かめる
理解度チェック
飽和度の式はどう書くか。
Sr=wρs÷(eρw)×100 です。含水比と土粒子密度が分子に来ます。
間隙比と間隙率の関係はどうなるか。
n=e÷(1+e)×100 です。間隙率の分母は全体積になります。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-1
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成30年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1|飽和度の式は含水比が分子
- Ⅲ-2 地下水では速度水頭が無視できる
- Ⅲ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮強度の半分
- Ⅲ-4 土被り圧は鉛直応力
- Ⅲ-5 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-6 耐候性鋼材は腐食性の低い環境で使う
- Ⅲ-7 上向き溶接は避ける
- Ⅲ-8 三角形分布荷重は2次と3次に分かれる
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 暑いほど打ち終わるまでの時間は短い
- Ⅲ-11 中性化はpHを低下させる
- Ⅲ-12 プレとポストは打込みに対する緊張の前後
- Ⅲ-17 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
- Ⅲ-18 マニングの式で流速は粗度係数に反比例
- Ⅲ-19 効くのは点Cと点Bの高さの差
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