平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2 を解説、地下水では速度水頭が無視できる
平成30年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2は、土中の浸透と地下水に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、地下水の流れを扱うときにどの水頭を残すかを問うものです。引っかけの核心は無視できるのがどちらの水頭かで、位置水頭と速度水頭が入れ替えてあります。
残る4つは被圧地下水・透水試験の種類・サクション・流線網で、いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の透水|ダルシーの法則と動水勾配
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 被圧地下水と自噴井 | ○(正しい) | 不透水層に挟まれた地下水が高い圧力を受けている状態 |
| 2 位置水頭を無視し、圧力水頭と速度水頭で考える | ×(誤り) | 無視できるのは速度水頭。全水頭は位置水頭と圧力水頭の和 |
| 3 室内透水試験と現場透水試験 | ○(正しい) | 室内は定水位法と変水位法に分かれる |
| 4 サクションは間隙が小さいほど大きい | ○(正しい) | 表面張力で水圧が空気圧より下がる量 |
| 5 正方形流線網による図形的解法 | ○(正しい) | 2次元透水を等ポテンシャル線と流線で解く方法 |
選択肢2は語句を2つ入れ替えただけで、文の形はそのままです。どちらが無視できるかを知らないと通り過ぎます。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
地下水の流速は極めて遅いので、速度水頭 v²÷(2g) はほとんどゼロになります。だから無視できるのは速度水頭のほうです。
残るのは位置水頭と圧力水頭で、この2つの和を全水頭として扱います。地下水位の観測井で測っているのもこの高さです。
管路の流れでは速度水頭が効くのに、地下水では効きません。同じ水の流れでも扱いが違う点がこの設問の芯です。
覚え方
- 地下水の全水頭は 位置水頭+圧力水頭
- 流速が遅いので速度水頭は落とせる
- 管路では逆に速度水頭が効く
理解度チェック
地下水の流れで無視できる水頭はどれか。
速度水頭です。流速が極めて遅く、v²÷(2g)がほぼゼロになります。
サクションは間隙の大きさとどう関係するか。
間隙が小さいほど大きくなります。表面張力で水が吸い上げられる量です。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-2
- 公益社団法人 日本技術士会「平成30年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成30年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 飽和度の式は含水比が分子
- Ⅲ-2|地下水では速度水頭が無視できる
- Ⅲ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮強度の半分
- Ⅲ-4 土被り圧は鉛直応力
- Ⅲ-5 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-6 耐候性鋼材は腐食性の低い環境で使う
- Ⅲ-7 上向き溶接は避ける
- Ⅲ-8 三角形分布荷重は2次と3次に分かれる
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 暑いほど打ち終わるまでの時間は短い
- Ⅲ-11 中性化はpHを低下させる
- Ⅲ-12 プレとポストは打込みに対する緊張の前後
- Ⅲ-17 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
- Ⅲ-18 マニングの式で流速は粗度係数に反比例
- Ⅲ-19 効くのは点Cと点Bの高さの差
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