令和6年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-11 を解説、プレストレストコンクリート
令和6年度 建設部門Ⅲ-11は、プレストレストコンクリートについて最も適切な記述を選ぶ設問です。
この問題のポイント
「最も適切なもの」を選ぶ形なので、正しい1本を見つける必要があります。
先に外せるのは選択肢2と選択肢3で、この2本は説明を入れ替えた対になっています。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:鉄筋の継手はどこに設けるか|プレテンションとポストテンションの取り違え
各選択肢の正誤
正しいのは1つで、残る4つはどこかが違います。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 断面の大きさ | ×(誤り) | ひび割れ性能にも断面の縮小にも有利。不利という結びが誤り |
| 2 ポストテンション方式 | ×(誤り) | 書かれている中身はプレテンション方式の手順 |
| 3 プレテンション方式 | ×(誤り) | 書かれている中身はポストテンション方式の手順 |
| 4 維持管理 | ○(正しい) | 鉄筋コンクリート構造物への内容に加え、PC鋼材の腐食に留意する必要がある |
| 5 プレストレス力の算出 | ×(誤り) | コンクリートの弾性変形による減少を考慮する必要がある |
緊張材に引張力を与えておいてからコンクリートを打つのがプレテンション方式です。コンクリートが硬化してから緊張材を引くのがポストテンション方式です。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
★名前の「プレ」と「ポスト」は、コンクリートの打込みと硬化に対する緊張の前後を指します。
2つの方式の順番
プレテンション方式は、緊張材を先に引張った状態でコンクリートを打ちます。硬化後に緊張材を解放すると、付着によって引張力がコンクリートへ伝わります。
ポストテンション方式は、シースを埋めてコンクリートを打ち、硬化後に緊張材を引きます。引いた緊張材の端部を定着具でコンクリートに定着させてプレストレスを与えます。
選択肢4が正しい理由
PC構造物は、鉄筋コンクリート構造物と同じ点検項目に加えてPC鋼材の状態を見る必要があります。PC鋼材は高強度で細く、断面が少し減るだけで耐力が大きく落ちます。
グラウトの充填不足やシースの損傷があると、そこから腐食が進みます。外から見えない位置にあるため、腐食に留意すべきという記述が適切です。
選択肢1と選択肢5の誤り
プレストレスを入れるとコンクリートのひび割れを抑えられるので、断面を小さくできます。断面の縮小に不利という選択肢1の結びは逆です。
また緊張材を引くとコンクリートが縮み、その分だけプレストレス力が減ります。弾性変形の影響を考慮しないという選択肢5も誤りです。
覚え方
- 「プレ」「ポスト」はコンクリート打込みに対する緊張の前後
- プレテンションは先に緊張→打込み→硬化後に解放(付着で伝える)
- ポストテンションは打込み→硬化後にシース内を緊張(定着具で伝える)
理解度チェック
プレテンション方式とポストテンション方式の違いは何か。
緊張の順番です。プレテンションはコンクリートを打つ前に緊張し、ポストテンションは硬化後に緊張します。
PC構造物の維持管理でRC構造物に加えて何を見るか。
PC鋼材の腐食です。細くて高強度なため、断面の減少が耐力に直結します。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-11
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月