令和6年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-10 を解説、コンクリートの材料分離とワーカビリティー
令和6年度 建設部門Ⅲ-10は、コンクリートの材料分離とワーカビリティーを問う設問です。
この問題のポイント
選択肢1と選択肢3は材料分離が起きる条件、選択肢4は空気量の数値、選択肢5はワーカビリティーの定義です。
分かれ目は単位水量と材料分離の向きだけです。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:フレッシュコンクリート|単位水量を増やすと材料分離しやすくなる
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 細骨材率 | ○(正しい) | 過度に小さくすると粗々しくなり、材料分離の傾向が高まる |
| 2 単位水量 | ×(誤り) | 多いと材料分離やブリーディングが起きやすくなる。均質にはならない |
| 3 単位セメント量・単位粉体量 | ○(正しい) | 材料分離抵抗性の確保には一定以上が必要になる |
| 4 空気量 | ○(正しい) | 練上がり時にコンクリート体積の4〜7%程度が標準 |
| 5 ワーカビリティー | ○(正しい) | 運搬・打込み・締固め・仕上げに適する性質が必要になる |
水を増やすと骨材とペーストが分かれやすくなり、ブリーディングも増えます。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
★選択肢1が「材料分離の傾向が高まる」条件を挙げているのに、選択肢2は水を増やすと分離しにくくなると書いています。
2本を並べて読めば、向きが逆になっている選択肢2が浮きます。
単位水量を増やすと何が起きるか
水を増やすとペーストが薄くなり、骨材を保持する力が落ちます。その結果、骨材が沈み水が浮くブリーディングと材料分離が進みます。
硬化後は乾燥収縮とひび割れが増え、強度と耐久性も下がります。単位水量はできるだけ少なくするのが基本で、施工性は混和剤で確保します。
選択肢1と選択肢2は同じことを逆に言っている
選択肢1は、細骨材率を過度に小さくすると材料分離の傾向が高まると書いています。細骨材率を下げることは、骨材を包むペースト側の細かい成分を減らすことに当たります。
単位水量を増やすことも、ペーストを薄くして保持力を落とす操作です。同じ向きの操作なのに、選択肢2だけが結果を反対に書いています。
覚え方
- 水は多いほど扱いやすいのではなく、多いほど分離します。扱いやすさが必要なら水ではなく混和剤で足す、と結び付けておくと迷いません。
理解度チェック
単位水量を増やすと材料分離はどうなるか。
起きやすくなります。ペーストが薄くなって骨材を保持できず、ブリーディングも増えます。
コンクリートの標準的な空気量はどれくらいか。
練上がり時にコンクリート体積の4〜7%程度が一般的です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-10
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月