令和5年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-11 を解説、鉄筋コンクリート構造と鉄筋の継手
令和5年度 建設部門Ⅲ-11は、鉄筋コンクリート構造を5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
選択肢3だけが逆に書いてあります。継手は大きな引張応力が生じる断面を避けて設けるのが原則です。
継手は鉄筋が一度切れる場所なので、力が最も大きい断面には置きません。はりならスパン中央付近が曲げの大きい断面で、そこは避ける側です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:鉄筋コンクリートとプレストレストコンクリート
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 付着と防護 | ○(正しい) | 鉄筋とコンクリートの間で付着を確保し、鉄筋はコンクリートで防護する |
| 2 端部の定着 | ○(正しい) | 鉄筋端部が抜け出さないよう、コンクリート中に確実に定着させる |
| 3 継手の位置 | ×(誤り) | 大きな引張応力が生じる断面は避ける。設けるのは逆 |
| 4 鉄筋の配置 | ○(正しい) | 力学的な相互作用を確保し、打込みや締固めも考慮して定める |
| 5 かぶりの充填 | ○(正しい) | かぶり部分は耐久性に重要で、確実に充填する |
残る4つは付着・定着・配置・かぶりの基本で、どれも正しい記述です。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
継手を避ける断面はどこか
継手は重ね継手でもガス圧接でも、鉄筋が連続していない断面を作ります。応力の伝達がその分だけ不確かになるので、曲げの大きい断面には置きません。
単純ばりならスパン中央付近、片持ちばりなら固定端側が避ける断面です。設問の「はりのスパン中央付近等に設ける」は、まさに避けるべき場所を挙げています。
残る4つが正しい理由を1行で
付着が切れれば鉄筋とコンクリートが一体で働かず、防護が切れれば鉄筋が錆びます。定着は鉄筋の強度を使い切るための処置で、かぶりは耐久性の最後の壁です。
配置に打込みや締固めを持ち込むのは、密実に充填できなければ設計どおりにならないからです。
覚え方
- 継手は「弱い断面を作る処置」だと考えます。弱い断面は力の小さいところへ回す、で位置の判断が付きます。
理解度チェック
鉄筋の継手はどこに設けるか。
大きな引張応力が生じる断面を避けます。はりならスパン中央付近は避ける側です。
かぶりは何のために確実に充填するか。
耐久性です。鉄筋を外部環境から守る最後の層になります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」7ページ Ⅲ-11
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月