令和5年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-8 を解説、鋼材の非破壊試験
令和5年度 建設部門Ⅲ-8は、鋼材の非破壊試験を5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
分かれ目は「表面の欠陥か、内部の欠陥か」の1点だけです。浸透探傷試験は、表面に開口した欠陥にしか浸透液が入りません。
選択肢4は「内部欠陥に浸透液を浸透させた後」と書いてあるので、そこで切れます。内部欠陥を見るのは、放射線透過試験と超音波探傷試験の2つです。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:非破壊試験|内部が見えるのは放射線と超音波だけ
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 渦流探傷試験 | ○(正しい) | 渦電流の変化から欠陥を検出する。表面と表層が対象 |
| 2 放射線透過試験 | ○(正しい) | 透過した放射線の強さの変化から、内部の欠陥の状態を調べる |
| 3 超音波探傷試験 | ○(正しい) | 試験体が示す音響的性質を利用して内部欠陥を調べる |
| 4 浸透探傷試験 | ×(誤り) | 浸透液が入るのは表面に開口した欠陥だけ。内部欠陥は見えない |
| 5 磁粉探傷試験 | ○(正しい) | 強磁性体を磁化し、欠陥部の磁極への磁粉付着で検出する |
5つを表面側と内部側に分けておけば、記述を照らすだけで済みます。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
表面側と内部側で分ける
浸透探傷試験の手順から考える
洗浄した表面に浸透液を塗り、余分を拭き取ってから現像液で吸い出します。浸透液が入る道が表面につながっていなければ、そもそも液が届きません。
内部だけにある欠陥は、この方法では見えないままです。
磁粉探傷試験が表面側に入る理由
磁化した鋼材の中に欠陥があると、そこで磁束が漏れて磁極ができます。漏れた磁束を捉えるには、磁粉を置く表面まで漏れが届く必要があります。
深い位置の欠陥では漏れが表面に出ないので、対象は表面と表層です。
覚え方
- 内部が見えるのは放射線と超音波の2つだけと覚えます。浸透と磁粉は表面側で、渦流も表層までです。
理解度チェック
浸透探傷試験で見える欠陥はどれか。
表面に開口した欠陥だけです。内部の欠陥には浸透液が届きません。
内部欠陥を調べる試験はどれか。
放射線透過試験と超音波探傷試験です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-8
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月