令和5年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-3 を解説、土留め掘削のボイリング
令和5年度 建設部門Ⅲ-3は、土留めと掘削の記述にある4つの空欄を埋める設問です。
この問題のポイント
組合せの設問は、絞りやすい列から見ると早く決まります。
b列が決定的です。砂質地盤の話で「粘着力を失う」と書いてあれば、砂に粘着力を持たせた形になってしまいます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も適切な組合せ)
> この論点をやさしく解説:土の透水|ダルシーの法則と動水勾配
b列がせん断強さなのは選択肢3と選択肢5だけです。残った2つはd列で分かれ、ヒービングを置いた選択肢3が落ちます。
各選択肢の正誤
正しい組合せは a=浅い/b=せん断強さ/c=地下水/d=ボイリングです。4つの列のどれか1つでも違えばその選択肢は落ちます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 深い/粘着力/地下水/ボイリング | ×(誤り) | a列が「深い」で逆。b列も砂のせん断強さでなく粘着力になっている |
| 2 深い/粘着力/空気/ヒービング | ×(誤り) | 4列とも正しい語句と合わない |
| 3 浅い/せん断強さ/地下水/ヒービング | ×(誤り) | a・b・c列は正しいが、d列が粘性土で起きるヒービングになっている |
| 4 浅い/粘着力/空気/ボイリング | ×(誤り) | a列とd列は正しいが、b列とc列が合わない |
| 5 浅い/せん断強さ/地下水/ボイリング | ○(正しい) | 地下水位が浅い砂質地盤で、砂がせん断強さを失って地下水とともに噴き上がる |
砂は粘着力をもたないので、失うのはせん断強さです。噴き上がるのは砂と地下水で、空気ではありません。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
4つの空欄で問われている論点
ヒービングとの見分け
ヒービングは粘性土の地盤で、背面の土が回り込んで掘削底面が持ち上がる現象です。設問文は砂質地盤・砂礫地盤と書き、上向きの浸透流と湧水を挙げています。
土の種類と原因の2つが揃ってボイリング側を指しているので、ヒービングは当たりません。
a列が「深い」だと成り立たない理由
浸透流の強さは、背面と掘削側の水位差を浸透経路長で割った動水勾配で決まります。地下水位が深ければ水位差そのものが小さく、動水勾配も小さくなります。
現象が起きにくい側に向かうので、a列は浅いです。
覚え方
- 砂はボイリング、粘土はヒービングと対で覚えます。砂に粘着力を持たせる記述が出たら、その選択肢はそこで切れます。
理解度チェック
ボイリングはどの地盤で起きるか。
砂質地盤や砂礫地盤です。上向きの浸透流で、砂が水とともに噴き上がります。
ヒービングとの違いは何か。
土の種類と原因です。ヒービングは粘性土で、背面の土が回り込んで底面が持ち上がります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」2ページ Ⅲ-3
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月