平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-11 を解説、急縮部でも損失は生じる
平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-11は、単一管路の定常流に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、管路の断面が変わるところで何が起きるかを問うものです。引っかけの核心は片方だけを損失ゼロと言い切ってある点で、急縮部でも渦はできます。
残る4つはピエゾ水頭、動水勾配、速度水頭、負圧の話です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理で管の途中の圧力を出す|答えは負圧になる
各選択肢の正誤
5つのうち4つは管路の水理の基本です。誤りは1つで、損失をゼロと書いてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 ピエゾ水頭は位置水頭と圧力水頭の和である | ○(正しい) | 速度水頭を含まない値 |
| 2 動水勾配は実際の管路の傾きとは無関係である | ○(正しい) | 基準面からの高さで決まる |
| 3 流れ方向に管路の断面積が変化しない区間では速度水頭は一定である | ○(正しい) | 流速が変わらない |
| 4 管路の一部が動水勾配線の上に出る場合、この点での圧力は大気圧以下となる | ○(正しい) | サイフォンの原理 |
| 5 急拡部では損失が生じるが、急縮部では損失は生じない | ×(誤り) | 急縮部でも生じる。急拡部より小さいだけ |
選択肢5は前半の急拡部の説明が正しいので、後半だけを見る必要があります。言い切りの形は疑ってかかります。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
急縮部では流れが一度絞られてから広がるので、そこで渦ができて損失が生じます。ゼロにはなりません。
急拡部のほうが損失は大きくなります。断面が急に広がると流れが壁から離れ、大きな渦ができるためです。
選択肢4は管が動水勾配線より高いところを通ると負圧になるという話で、サイフォンの原理そのものです。
覚え方
- 急縮部でも損失は生じる
- 急拡部のほうが損失は大きい
- 動水勾配線より上に出ると負圧
理解度チェック
Q.
急縮部でエネルギー損失は生じるか。
生じます。急拡部より小さいだけで、ゼロにはなりません。
Q.
管路が動水勾配線より上に出るとどうなるか。
その点の圧力が大気圧以下になります。
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出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅳ-11
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成23年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 限界動水勾配は上向きの浸透力
- Ⅳ-2 過圧密が弾性、正規圧密が塑性
- Ⅳ-3 盛土は非排水、切取りは排水
- Ⅳ-4 湿潤から乾燥へ直してから1を引く
- Ⅳ-5 水圧に静止土圧係数は掛けない
- Ⅳ-6 単純ばり中央のたわみは分母48
- Ⅳ-7 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅳ-8 亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
- Ⅳ-9 L荷重とT荷重の6年度目
- Ⅳ-10 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅳ-11|急縮部でも損失は生じる
- Ⅳ-12 フィルダムは基礎の制約が少ない
- Ⅳ-17 捨石が高いほど傾斜堤に近い
- Ⅳ-18 180度転回のための拡幅は転回区域
- Ⅳ-19 屈曲部は支台でなく固定台
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