平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-8 を解説、亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-8は、鋼材の腐食及び防食に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、防食方法の名前と中身が結びついているかを問うものです。引っかけの核心は耐候性鋼材に溶融亜鉛めっきの説明が付けてある点で、説明そのものは別の方法として正しいものです。
残る4つは異種金属間腐食、腐食の条件、金属溶射、塗装です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢1(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:鋼材の腐食と防食|耐候性鋼材とめっき
各選択肢の正誤
5つのうち4つは防食の基本です。誤りは1つで、方法の名前が入れ替えてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 耐候性鋼材は鉄と亜鉛の合金層と純亜鉛からなる被膜を形成し、犠牲防食効果により腐食を抑制する | ×(誤り) | それは溶融亜鉛めっき。耐候性鋼材は緻密なさび層 |
| 2 異種の金属が接触すると電位の低い材料の腐食が著しく促進される異種金属間腐食が生じることがある | ○(正しい) | 電位差が原因 |
| 3 鋼材の腐食は水と酸素が存在する環境で発生し、塩化物やいおう酸化物で促進される | ○(正しい) | 水と酸素が必須 |
| 4 金属溶射は表面処理を施した鋼材面に溶融した金属を吹き付けて被膜層を形成させる方法 | ○(正しい) | 圧縮空気で吹き付ける |
| 5 塗装は最も一般的な防食方法で、鋼材表面に保護被膜を形成して腐食を防止する | ○(正しい) | 定期的な塗り替えが要る |
選択肢1の説明は溶融亜鉛めっきとしてなら正しいものです。名前だけを入れ替えた形になっています。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
耐候性鋼材は銅やニッケルを少し加えた鋼で、表面に緻密なさび層をつくって内部を守ります。亜鉛は使いません。
溶融亜鉛めっきは亜鉛の浴に浸けて被膜をつくる方法です。亜鉛が先に溶けて鉄を守るので、犠牲防食効果という言葉が付きます。
耐候性鋼材は平成30年度Ⅲ-6と令和7年度Ⅲ-8にも出ており、そちらは「腐食性の高い環境に適用」と書いて誤りにしています。3つの年度に出ています。
覚え方
- 亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
- 耐候性鋼材は緻密なさび層で守る
- 犠牲防食効果は亜鉛の特徴
理解度チェック
鉄と亜鉛の合金層からなる被膜をつくる方法は何か。
溶融亜鉛めっきです。耐候性鋼材とは別の方法になります。
耐候性鋼材はどうやって腐食を抑えるか。
表面に緻密なさび層をつくって内部を守ります。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」4ページ Ⅳ-8
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成23年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 限界動水勾配は上向きの浸透力
- Ⅳ-2 過圧密が弾性、正規圧密が塑性
- Ⅳ-3 盛土は非排水、切取りは排水
- Ⅳ-4 湿潤から乾燥へ直してから1を引く
- Ⅳ-5 水圧に静止土圧係数は掛けない
- Ⅳ-6 単純ばり中央のたわみは分母48
- Ⅳ-7 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅳ-8|亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
- Ⅳ-9 L荷重とT荷重の6年度目
- Ⅳ-10 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅳ-11 急縮部でも損失は生じる
- Ⅳ-12 フィルダムは基礎の制約が少ない
- Ⅳ-17 捨石が高いほど傾斜堤に近い
- Ⅳ-18 180度転回のための拡幅は転回区域
- Ⅳ-19 屈曲部は支台でなく固定台
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