平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-10 を解説、高炉セメントは初期強度が低い
平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-10は、コンクリートの性質に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、混合セメントの性格を分かっているかを問うものです。引っかけの核心は最初の1語だけが誤りである点で、後半の発熱量と耐海水性は正しい記述です。
この設問は平成27年度Ⅲ-11と5つの記述が一字同じで、順序も正答も同じです。問い方だけが平成23年度の「誤っているものはどれか」から「最も不適切なものはどれか」に変わっています。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:コンクリートの材料|セメントの種類と使い分け
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述です。誤りは1つで、強度の出方が逆にしてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 ワーカビリティーは変形のしやすさ及び材料分離に対する抵抗性から定まる | ○(正しい) | フレッシュコンクリートの性質 |
| 2 高炉セメントは普通ポルトランドセメントよりも初期強度が高く、発熱量が少なく耐海水性が良い | ×(誤り) | 初期強度は低い。後半の2つは正しい |
| 3 コンクリートの打継目は塩分や水が浸透しやすく防食上の弱点となりやすい | ○(正しい) | 一体化しきらない面 |
| 4 プレストレッシング直後の最大圧縮応力度はリラクセーションやクリープ等により減少する | ○(正しい) | プレストレスの損失 |
| 5 打込み後ごく早い時期に表面だけが急激に乾燥するとひび割れが生じる | ○(正しい) | プラスチック収縮ひび割れ |
選択肢2は3つの性質を並べたうちの1つ目だけが違います。すべて正しく見えるので読み飛ばしやすい形です。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
高炉セメントは高炉スラグ微粉末を混ぜたセメントで、反応がゆっくり進むので初期強度が低く、長期強度は高くなります。発熱量が少ないのもこの性質から出ます。
平成27年度Ⅲ-11は5つの記述が一字同じで順序も同じ、正答も②でした。設問番号だけがⅣ-10からⅢ-11へ動いています。
平成25年度Ⅲ-13も同じ設問です。当サイトの解説の枠外ですが、3つの年度で使い回されています。
覚え方
- 高炉セメントは初期強度が低く長期強度が高い
- 発熱量が少なく耐海水性が良い
- 平成27年度Ⅲ-11と同じ設問
理解度チェック
高炉セメントの初期強度は普通ポルトランドセメントと比べてどうか。
低くなります。反応がゆっくり進むためです。
この設問は他の年度にも出ているか。
平成27年度Ⅲ-11に出ています。5つの記述が一字同じで正答も同じです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅳ-10
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成23年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 限界動水勾配は上向きの浸透力
- Ⅳ-2 過圧密が弾性、正規圧密が塑性
- Ⅳ-3 盛土は非排水、切取りは排水
- Ⅳ-4 湿潤から乾燥へ直してから1を引く
- Ⅳ-5 水圧に静止土圧係数は掛けない
- Ⅳ-6 単純ばり中央のたわみは分母48
- Ⅳ-7 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅳ-8 亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
- Ⅳ-9 L荷重とT荷重の6年度目
- Ⅳ-10|高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅳ-11 急縮部でも損失は生じる
- Ⅳ-12 フィルダムは基礎の制約が少ない
- Ⅳ-17 捨石が高いほど傾斜堤に近い
- Ⅳ-18 180度転回のための拡幅は転回区域
- Ⅳ-19 屈曲部は支台でなく固定台
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