技術士一次 力学ノート

  1. HOME
  2. 過去問
  3. 平成27年度 建設部門
  4. > Ⅲ-11 高炉セメントは初期強度が低い

平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-11 を解説、高炉セメントは初期強度が低い

平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-11は、コンクリートの性質に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、混合セメントの性格を分かっているかを問うものです。引っかけの核心は最初の1語だけが誤りである点で、後半の発熱量と耐海水性は正しい記述です。

残る4つはワーカビリティー、打継目、プレストレスの減少、乾燥ひび割れです。いずれも正しい記述です。

※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。

正答:選択肢2(最も不適切なもの)

> この論点をやさしく解説:コンクリートの材料|セメントの種類と使い分け

各選択肢の正誤

5つのうち4つは正しい記述です。誤りは1つで、強度の出方が逆にしてあります。

選択肢正誤解説
1 ワーカビリティーは変形のしやすさ及び材料分離に対する抵抗性から定まる○(正しい)フレッシュコンクリートの性質
2 高炉セメントは普通ポルトランドセメントよりも初期強度が高く、発熱量が少なく耐海水性が良い×(誤り)初期強度は低い。後半の2つは正しい
3 コンクリートの打継目は塩分や水が浸透しやすく防食上の弱点となりやすい○(正しい)一体化しきらない面
4 プレストレッシング直後の最大圧縮応力度はリラクセーションやクリープ等により減少する○(正しい)プレストレスの損失
5 打込み後ごく早い時期に表面だけが急激に乾燥するとひび割れが生じる○(正しい)プラスチック収縮ひび割れ

選択肢2は3つの性質を並べたうちの1つ目だけが違います。すべて正しく見えるので読み飛ばしやすい形です。

選択肢2のポイント(ここが誤り)

高炉セメントは高炉スラグ微粉末を混ぜたセメントで、反応がゆっくり進むので初期強度が低く、長期強度は高くなります。発熱量が少ないのもこの性質から出ます。

初期強度が低いぶん養生に時間がかかりますが、マスコンクリートや海洋構造物には向きます。アルカリシリカ反応や塩化物イオンの浸透も抑えます。

選択肢4はプレストレスの損失です。PC鋼材のリラクセーション、コンクリートのクリープと乾燥収縮で、導入した圧縮応力度が時間とともに減ります。

覚え方

  • 高炉セメントは初期強度が低く長期強度が高い
  • 発熱量が少なく耐海水性が良い
  • プレストレスはクリープと乾燥収縮で減る

理解度チェック

Q.

高炉セメントの初期強度は普通ポルトランドセメントと比べてどうか。

低くなります。反応がゆっくり進むためです。

Q.

プレストレスが時間とともに減る原因は何か。

PC鋼材のリラクセーション、コンクリートのクリープと乾燥収縮です。

平成27年度 建設部門 過去問解説 一覧へ

スポンサーリンク

出典

  • 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」7ページ Ⅲ-11
  • 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」

※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。

このサイトの管理人

T

構造設計の実務を続けながら、試験に出る力学の解き方を書き残しています。

Topへ >>