平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-6 を解説、座屈荷重は剛性で決まる
平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-6は、柱の座屈に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、オイラーの座屈荷重の式に何が入っているかを問うものです。引っかけの核心は降伏応力が式に入らない点で、強い材料なら座屈しにくいと思うと外します。
座屈は材料が壊れる前に曲がってしまう現象です。効いているのは強さでなく曲がりにくさです。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:座屈|有効座屈長と細長比
各選択肢の正誤
5つのうち4つが誤りなので、正しい1つを残します。式の形を思い出せば2段階で絞れます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 材料の降伏応力が高いほど座屈荷重は大きくなる | ×(誤り) | 降伏応力は座屈荷重の式に入らない |
| 2 材料のヤング率が大きいほど座屈荷重は大きくなる | ○(正しい) | Pcr=π²EI÷Lk² でEが分子にある |
| 3 柱の長さが一定なら境界条件を変えても座屈荷重は変わらない | ×(誤り) | 有効座屈長が0.5Lから2.0Lまで動く |
| 4 両端ヒンジの柱の座屈モードは1波の正弦曲線となる | ×(誤り) | 半波。山が1つで正弦波の半分 |
| 5 座屈モードが決まれば座屈による最大たわみの値が求められる | ×(誤り) | モードは形だけで、振幅は決まらない |
選択肢1と2は降伏応力とヤング率という似た響きの量を並べてあります。式に入るのはヤング率だけです。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
オイラーの座屈荷重は Pcr=π²EI÷Lk² です。材料の性質としてはヤング率Eだけが入り、降伏応力は現れません。
座屈は材料が降伏する前に横へ曲がってしまう現象です。だから効くのは曲がりにくさ、つまり剛性EIになります。
選択肢5は固有値問題の性質です。座屈モードは形しか決めず、どれだけ大きく曲がるかは方程式から出てきません。
覚え方
- Pcr=π²EI÷Lk²
- 入るのはヤング率、降伏応力は入らない
- 両端ヒンジの座屈モードは半波
理解度チェック
座屈荷重に材料の降伏応力は効くか。
効きません。式に入るのはヤング率と断面二次モーメントです。
両端ヒンジの柱の座屈モードはどんな形か。
半波の正弦曲線です。山が1つで正弦波の半分になります。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-6
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成27年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 非排水せん断強さは一軸圧縮強さの半分
- Ⅲ-2 周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅲ-3 締め固まるほど3つとも良くなる
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 断面二次半径は平方根を取る
- Ⅲ-6|座屈荷重は剛性で決まる
- Ⅲ-7 曲げモーメントは(q÷2)x(L−x)
- Ⅲ-8 摩擦力で伝えるのは摩擦接合
- Ⅲ-9 幹線道路にはB活荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅲ-12 PCは許容せずPRCは許容する
- Ⅲ-17 貯留関数法とキネマティックウェーブ法
- Ⅲ-18 射流の境界条件は上流側
- Ⅲ-19 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
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