平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-18 を解説、射流の境界条件は上流側
平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-18は、開水路流に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、常流と射流の性質を区別できるかを問うものです。引っかけの核心は4つの誤りがすべて向きの反転である点で、水深・フルード数・勾配・比例の向きが1つずつ逆にしてあります。
射流は下流の影響が上流へ伝わりません。だから計算は上流から下流へ進めます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理で管の途中の圧力を出す|答えは負圧になる
各選択肢の正誤
5つのうち4つが誤りなので、正しい1つを残します。誤りはどれも向きの反転です。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 射流では水深が限界水深より大きい | ×(誤り) | 小さい。射流は浅くて速い流れ |
| 2 フルード数は常流では1より大きい | ×(誤り) | 小さい。1を超えるのが射流 |
| 3 射流の漸変流計算の境界条件は上流側で与えられる | ○(正しい) | 下流の影響が上流へ伝わらない |
| 4 等流では水路勾配がエネルギー勾配より小さい | ×(誤り) | 等しい。それが等流の定義 |
| 5 マニングの平均流速公式によると平均流速は粗度係数の1÷2乗に比例する | ×(誤り) | 反比例。しかも指数も違う |
選択肢1と2は常流と射流の関係を両方とも逆にしてあります。片方を決めればもう片方も決まります。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
射流は流速が波の伝わる速さを超えている状態です。下流で起きたことが上流へ伝わらないので、計算は上流の条件から下流へ向けて進めます。
常流は逆で、下流の水位が上流の水面形を決めます。だから常流の漸変流計算は下流側を境界条件にします。
選択肢5はマニングの式の形を2か所変えてあります。正しくは粗度係数の1乗で反比例で、指数と向きの両方が違います。
覚え方
- 射流は上流側が境界条件、常流は下流側
- 射流は水深が限界水深より小さい
- 等流では水路勾配=エネルギー勾配
理解度チェック
射流の漸変流計算はどちら側を境界条件にするか。
上流側です。下流の影響が上流へ伝わらないためです。
フルード数が1より大きい流れは何か。
射流です。1より小さいのが常流になります。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」11ページ Ⅲ-18
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成27年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 非排水せん断強さは一軸圧縮強さの半分
- Ⅲ-2 周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅲ-3 締め固まるほど3つとも良くなる
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 断面二次半径は平方根を取る
- Ⅲ-6 座屈荷重は剛性で決まる
- Ⅲ-7 曲げモーメントは(q÷2)x(L−x)
- Ⅲ-8 摩擦力で伝えるのは摩擦接合
- Ⅲ-9 幹線道路にはB活荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅲ-12 PCは許容せずPRCは許容する
- Ⅲ-17 貯留関数法とキネマティックウェーブ法
- Ⅲ-18|射流の境界条件は上流側
- Ⅲ-19 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
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