平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2 を解説、周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2は、土圧・支持力・基礎に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、基礎まわりの用語の定義をそのまま問うものです。引っかけの核心は周面抵抗力がはたらく向きで、軸直角方向と書いてあります。
残る4つは受働土圧、直接基礎、極限支持力、静止土圧の定義です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:基礎|支持力と沈下の考え方
各選択肢の正誤
5つのうち4つは定義そのままです。誤りは1つで、力の向きが変えてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 受働土圧は土を水平に圧縮していき、最終的に一定値に落ち着いた状態の土圧 | ○(正しい) | 壁が土を押す向き |
| 2 直接基礎は上部構造の荷重を基礎スラブの底面から地盤に直接伝える基礎 | ○(正しい) | 杭を使わない形式 |
| 3 杭の周面抵抗力は杭の周面を通して地盤から受ける杭軸直角方向の抵抗力 | ×(誤り) | 杭軸方向にはたらく摩擦。直角方向は水平抵抗の話 |
| 4 極限支持力は地盤がせん断破壊を生じずに支え得る最大荷重あるいは荷重強度 | ○(正しい) | 安全率で割ると許容支持力 |
| 5 静止土圧は地盤に水平変位が生じない状態における水平方向の土圧 | ○(正しい) | 主働と受働の中間 |
選択肢3は前半の言い方が正しいので、最後の向きだけを見る必要があります。杭が沈む向きを思い浮かべると決まります。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
周面抵抗力は、杭が沈もうとするのを周りの土が縦向きの摩擦で押しとどめる力です。先端支持力と足して杭の鉛直支持力になります。
杭軸直角方向にはたらくのは水平抵抗で、地震時の水平力に対して効く別の量です。同じ杭の話でも役割が違います。
土圧は壁の動く向きで3つに分かれます。壁が土から離れると主働、土を押すと受働、動かなければ静止です。
覚え方
- 周面抵抗力は杭軸方向の摩擦
- 軸直角方向は水平抵抗の話
- 土圧は主働・静止・受働の順に大きい
理解度チェック
Q.
杭の周面抵抗力はどの向きにはたらくか。
杭軸方向です。杭が沈もうとするのを周りの土の摩擦が止めます。
Q.
静止土圧はどんな状態の土圧か。
地盤に水平変位が生じない状態の水平方向の土圧です。
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出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-2
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成27年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 非排水せん断強さは一軸圧縮強さの半分
- Ⅲ-2|周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅲ-3 締め固まるほど3つとも良くなる
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 断面二次半径は平方根を取る
- Ⅲ-6 座屈荷重は剛性で決まる
- Ⅲ-7 曲げモーメントは(q÷2)x(L−x)
- Ⅲ-8 摩擦力で伝えるのは摩擦接合
- Ⅲ-9 幹線道路にはB活荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅲ-12 PCは許容せずPRCは許容する
- Ⅲ-17 貯留関数法とキネマティックウェーブ法
- Ⅲ-18 射流の境界条件は上流側
- Ⅲ-19 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
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