平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12 を解説、PCは許容せずPRCは許容する
平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12は、プレストレストコンクリート構造に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、PC構造とPRC構造の違いを区別できるかを問うものです。引っかけの核心は選択肢4と5でひび割れを許容するかどうかが入れ替えてある点で、2つ並べると入れ替えに気づきます。
選択肢4の後半は平成28年度Ⅲ-12②にも誤り肢として置いてあり、頭の言い回しだけが「コンクリート標準示方書(土木学会)におけるPC構造は」に変わっています。年度をまたいで使い回されています。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:鉄筋コンクリートとプレストレストコンクリート
各選択肢の正誤
5つのうち4つが誤りなので、正しい1つを残します。外ケーブル方式の説明だけが素直に書いてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 PCはひび割れ性能の改善に適しているが部材断面の縮小には効果的でない | ×(誤り) | 断面の縮小にも効果的。後半だけが誤り |
| 2 内ケーブル方式は混和剤により部材とPC鋼材を一体化させたもの | ×(誤り) | PCグラウトを注入して一体化する |
| 3 外ケーブル方式は防せい・防食処理した緊張材を部材の外側に配置して永続的なプレストレスを与える | ○(正しい) | 定義そのまま |
| 4 PC構造はひび割れの発生を許容することを前提とし、縁応力度を制御する構造 | ×(誤り) | PCは許容しない。5と入れ替えてある |
| 5 PRC構造はひび割れの発生を許容させないことを前提とし、異形鉄筋とプレストレスを導入する構造 | ×(誤り) | PRCは許容する。4と入れ替えてある |
選択肢4と5は許容するかどうかだけが入れ替わっています。片方だけ読むともっともらしく見えます。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
PC構造はひび割れを発生させないことを前提に、プレストレスで縁応力度を制御します。PRC構造は逆にひび割れを許容し、異形鉄筋で幅と間隔を抑えます。
PRCはRCとPCの中間にあたる構造です。PCほど強いプレストレスを入れないぶん経済的で、ひび割れ幅を使用上問題ない範囲に収めます。
選択肢4の一文は平成28年度Ⅲ-12の②とほぼ一字同じです。平成27年度は④、平成28年度は②に置いてあります。
覚え方
- PCは許容せず、PRCは許容する
- 内ケーブルはPCグラウトで一体化
- 外ケーブルは部材の外側に配置
理解度チェック
PC構造はひび割れを許容するか。
許容しません。プレストレスで縁応力度を制御して発生させない構造です。
内ケーブル方式で部材とPC鋼材を一体化させるものは何か。
PCグラウトです。混和剤ではありません。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」8ページ Ⅲ-12
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成27年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 非排水せん断強さは一軸圧縮強さの半分
- Ⅲ-2 周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅲ-3 締め固まるほど3つとも良くなる
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 断面二次半径は平方根を取る
- Ⅲ-6 座屈荷重は剛性で決まる
- Ⅲ-7 曲げモーメントは(q÷2)x(L−x)
- Ⅲ-8 摩擦力で伝えるのは摩擦接合
- Ⅲ-9 幹線道路にはB活荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅲ-12|PCは許容せずPRCは許容する
- Ⅲ-17 貯留関数法とキネマティックウェーブ法
- Ⅲ-18 射流の境界条件は上流側
- Ⅲ-19 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
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