平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-19 を解説、圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-19は、単一管路の定常流れに関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、圧力水頭がゼロという状態の意味を分かっているかを問うものです。引っかけの核心はゼロを流れの限界だと思わせる点で、大気圧を基準にしたゼロにすぎません。
残る4つはピエゾ水頭の定義、基準面の取り方、速度水頭、連続の式です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理で管の途中の圧力を出す|答えは負圧になる
各選択肢の正誤
5つのうち4つは管路の水理の基本です。誤りは1つで、流れが止まると書いてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 ピエゾ水頭は位置水頭と圧力水頭の和である | ○(正しい) | 速度水頭を含まない値 |
| 2 ピエゾ水頭や全水頭の高さは管路の傾きとは無関係である | ○(正しい) | 基準面からの高さで決まる |
| 3 断面積が大きくなると、その前後で速度水頭は減少する | ○(正しい) | 連続の式で流速が下がる |
| 4 断面積が小さくなっても、その前後で流量は変化しない | ○(正しい) | 満管の単一管路では流量が一定 |
| 5 管路の途中で圧力水頭がゼロになると流れは中断する | ×(誤り) | 止まらない。大気圧を基準にしたゼロにすぎない |
選択肢3と4はどちらも連続の式から出る話で、内容がつながっています。5だけが別の主張です。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
圧力水頭のゼロは大気圧と同じという意味であって、圧力が無いという意味ではありません。そこを境に負圧の領域へ入っていくだけです。
サイフォンのように管が水面より高いところを通ると、その区間の圧力水頭は負になります。流れは止まらず、負圧のまま先へ進みます。
平成30年度Ⅲ-17も同じ論点です。ベルヌーイの式で管の途中の圧力を求めると答えが負になる設問と、対で押さえられます。
覚え方
- 圧力水頭のゼロは大気圧と同じという意味
- サイフォンでは負圧のまま流れる
- ピエゾ水頭に速度水頭は入らない
理解度チェック
圧力水頭がゼロになると流れはどうなるか。
止まりません。大気圧を基準にしたゼロで、そこから負圧になります。
ピエゾ水頭は何の和か。
位置水頭と圧力水頭の和です。速度水頭は含みません。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」11ページ Ⅲ-19
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
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▼平成27年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 非排水せん断強さは一軸圧縮強さの半分
- Ⅲ-2 周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅲ-3 締め固まるほど3つとも良くなる
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 断面二次半径は平方根を取る
- Ⅲ-6 座屈荷重は剛性で決まる
- Ⅲ-7 曲げモーメントは(q÷2)x(L−x)
- Ⅲ-8 摩擦力で伝えるのは摩擦接合
- Ⅲ-9 幹線道路にはB活荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅲ-12 PCは許容せずPRCは許容する
- Ⅲ-17 貯留関数法とキネマティックウェーブ法
- Ⅲ-18 射流の境界条件は上流側
- Ⅲ-19|圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
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