平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-17 を解説、貯留関数法とキネマティックウェーブ法
平成27年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-17は、河川の流出解析に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、流出解析の手法の名前と中身が結びついているかを問うものです。引っかけの核心は2つの手法の説明を入れ替えてある点で、説明そのものは別の手法として正しいものです。
この年度は水理の設問番号がずれていて、Ⅲ-17に河川の流出解析が置いてあります。例年はベルヌーイや静水圧の位置です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理で管の途中の圧力を出す|答えは負圧になる
各選択肢の正誤
5つのうち4つは流出解析で言われていることです。誤りは手法の名前にあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 流出モデルの目的は河川流量の予測や水循環の変化予測等である | ○(正しい) | 計画にも実時間予測にも使う |
| 2 山腹斜面に達した雨水は表面流・中間流と地下水流出の和として河道に流出する | ○(正しい) | 経路が3つに分かれる |
| 3 河道網構造は羽状流域・放射状流域・平行流域とその複合流域に分類される | ○(正しい) | 形が流出の仕方に効く |
| 4 貯留関数法は連続式と運動式でモデル化したもので等価粗度法とも呼ばれる | ×(誤り) | それはキネマティックウェーブ法 |
| 5 合理式は流域に入る降水量と流域下端からの河川流量が等しくなる状態を仮定する | ○(正しい) | ピーク流量を出す簡便法 |
選択肢4の説明はキネマティックウェーブ法としてなら正しいものです。名前だけを入れ替えた形になっています。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
キネマティックウェーブ法は、雨水流の移動を連続式と運動式で追いかける手法です。斜面や河道を水がどう流れ下るかを物理的に解きます。
貯留関数法は流域の貯留量と流出量の関係を非線形の式で表す手法で、運動方程式を解きません。実測の洪水波形に合うようにパラメータを決めて使います。
合理式はピーク流量だけを出す簡便な方法です。流域に降った雨がそのまま下端から出てくるという極端な仮定を置いています。
覚え方
- 等価粗度法とも呼ばれるのはキネマティックウェーブ法
- 貯留関数法は貯留量と流出量の非線形式
- 合理式はピーク流量だけを出す
理解度チェック
連続式と運動式で雨水流をモデル化する手法は何か。
キネマティックウェーブ法です。等価粗度法とも呼ばれます。
貯留関数法はどんな手法か。
流域の貯留量と流出量の関係を非線形の式で表す手法です。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」10ページ Ⅲ-17
- 公益社団法人 日本技術士会「平成27年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成27年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 非排水せん断強さは一軸圧縮強さの半分
- Ⅲ-2 周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅲ-3 締め固まるほど3つとも良くなる
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 断面二次半径は平方根を取る
- Ⅲ-6 座屈荷重は剛性で決まる
- Ⅲ-7 曲げモーメントは(q÷2)x(L−x)
- Ⅲ-8 摩擦力で伝えるのは摩擦接合
- Ⅲ-9 幹線道路にはB活荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅲ-12 PCは許容せずPRCは許容する
- Ⅲ-17|貯留関数法とキネマティックウェーブ法
- Ⅲ-18 射流の境界条件は上流側
- Ⅲ-19 圧力水頭がゼロでも流れは止まらない
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