平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-7 を解説、片持ち柱の有効座屈長は2倍
平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-7は、支持条件の違う5本の柱のうち有効座屈長が最も長いものを選ぶ問題です。柱の長さはすべて同じです。
この問題のポイント
この問題は、支持条件と有効座屈長の係数が結びついているかを問うものです。引っかけの核心は係数が同じ1.0になる形が2つある点で、そこで迷うと時間を取られます。
拘束が少ないほど座屈しやすく、有効座屈長は長くなります。最も自由な形を探せば済みます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:座屈|有効座屈長と細長比
各選択肢の正誤
5つの図を係数に直して並べます。係数は0.5から2.0までの4種類に分かれます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 上端が回転固定・水平固定/下端が固定 | ×(誤り) | 両端固定で0.5L。最も短い |
| 2 上端が回転自由・水平固定/下端が回転固定 | ×(誤り) | 0.7L |
| 3 上端が回転自由・水平固定/下端が回転自由 | ×(誤り) | 両端ピンで1.0L |
| 4 上端が回転固定・移動自由/下端が固定 | ×(誤り) | 1.0L。③と同じ係数になる |
| 5 上端が回転自由・移動自由/下端が固定 | ○(正しい) | 片持ち柱で2.0L。最も長い |
最小の0.5Lと最大の2.0Lで4倍の差があります。座屈荷重はその2乗で効くので16倍の違いです。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
有効座屈長は、その柱が両端ピンの柱に置き換えるとどれだけの長さに相当するかを表します。長いほど座屈荷重が小さくなります。
上端が完全に自由な柱は、鏡に映した2倍の長さの両端ピン柱と同じ変形をします。だから係数が2.0になります。
選択肢3と4はどちらも1.0Lです。片方は回転を止めて移動を許し、もう片方は移動を止めて回転を許す形で、効きが釣り合っています。
覚え方
- 係数は両端固定0.5/片側ピン0.7/両端ピン1.0/片持ち2.0
- 拘束が少ないほど有効座屈長は長い
- 座屈荷重は有効座屈長の2乗に反比例
理解度チェック
片持ち柱の有効座屈長はいくらか。
柱長の2倍です。両端ピンに置き換えると2Lの柱に相当します。
有効座屈長が2倍になると座屈荷重はどうなるか。
4分の1です。座屈荷重は有効座屈長の2乗に反比例します。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」4ページ Ⅲ-7
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成28年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅲ-2 最大間隙比は最も緩い状態
- Ⅲ-3 正のダイレイタンシーは膨張
- Ⅲ-4 支持力係数はせん断抵抗角で決まる
- Ⅲ-5 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅲ-6 トラスにも圧縮材がある
- Ⅲ-7|片持ち柱の有効座屈長は2倍
- Ⅲ-8 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅲ-9 BMSはコストの名前ではない
- Ⅲ-10 水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅲ-11 かぶりは大きくする
- Ⅲ-12 プレとポストの説明が入れ替えてある
- Ⅲ-17 水面と小穴の高さの差だけが効く
- Ⅲ-18 摩擦損失は管径に反比例
- Ⅲ-19 平均流速は粗度係数に反比例
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