平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-9 を解説、BMSはコストの名前ではない
平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-9は、我が国の道路橋に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、維持管理の用語を正しく使えるかを問うものです。引っかけの核心はBMSの中身をライフサイクルコストの定義にすり替えてある点で、略語だけ覚えていると通り過ぎます。
残る4つは老朽化の見通し、床版の役割、連続化の利点、伸縮装置の損傷です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:鋼橋の維持管理|疲労と遅れ破壊
各選択肢の正誤
5つのうち4つは道路橋の維持管理で言われていることです。誤りは用語の定義にあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 建設後50年以上経過する施設の割合が今後20年間で加速度的に高くなる | ○(正しい) | 戦略的な維持管理・更新が求められる |
| 2 床版は通行車両を直接支持し床組・主構造に荷重を伝達する部材 | ○(正しい) | 損傷は走行性に直結する |
| 3 耐震設計上有利で振動や衝撃音も緩和できることから単純桁の連続化が行われる | ○(正しい) | 伸縮装置を減らせる |
| 4 初期コストと維持管理・架け替えを含めたトータルのコストをBMSという | ×(誤り) | それはライフサイクルコスト。BMSは管理の仕組み |
| 5 伸縮装置に段差・破損・はがれ・亀裂が生じると衝撃音や走行性に悪影響 | ○(正しい) | 連続化で減らしたい損傷 |
選択肢3と5はどちらも伸縮装置の話で、内容がつながっています。並べて読むと筋が通っていることが分かります。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
BMSは橋梁の点検・診断・補修を計画的に回すための仕組みです。データベースを持ち、限られた予算をどこに配るかを決めるために使います。
トータルのコストを表す言葉はライフサイクルコストです。BMSはそのコストを小さくするための道具であって、コストそのものの名前ではありません。
単純桁の連続化は伸縮装置の数を減らします。選択肢5にある損傷の起きる場所そのものを無くす対策になります。
覚え方
- トータルのコストはライフサイクルコスト
- BMSは点検・診断・補修を回す仕組み
- 連続化は伸縮装置を減らす
理解度チェック
初期コストから架け替えまでを含めたコストを何と呼ぶか。
ライフサイクルコストです。BMSはコストの名前ではありません。
単純桁を連続化する利点は何か。
耐震上有利になり、伸縮装置が減って振動や衝撃音も抑えられます。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-9
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成28年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅲ-2 最大間隙比は最も緩い状態
- Ⅲ-3 正のダイレイタンシーは膨張
- Ⅲ-4 支持力係数はせん断抵抗角で決まる
- Ⅲ-5 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅲ-6 トラスにも圧縮材がある
- Ⅲ-7 片持ち柱の有効座屈長は2倍
- Ⅲ-8 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅲ-9|BMSはコストの名前ではない
- Ⅲ-10 水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅲ-11 かぶりは大きくする
- Ⅲ-12 プレとポストの説明が入れ替えてある
- Ⅲ-17 水面と小穴の高さの差だけが効く
- Ⅲ-18 摩擦損失は管径に反比例
- Ⅲ-19 平均流速は粗度係数に反比例
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