平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-9 を解説、床版に載せるのはT荷重
平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-9は、道路橋の床版に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、床版に載せる活荷重の名前を正しく覚えているかを問うものです。引っかけの核心は説明が正しいまま名前だけ入れ替えてある点で、集中荷重という中身のほうは合っています。
この崩し方は平成23年度・平成26年度・平成29年度・平成30年度・令和4年度・令和6年度の6つの年度に出ています。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:道路橋の床版|L荷重とT荷重の取り違えで落とす
各選択肢の正誤
5つのうち4つは床版の構造や耐久性の話です。誤りは荷重の名前だけにあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 鋼コンクリート合成床版は鋼部材とコンクリートが一体で荷重に抵抗する | ○(正しい) | 合成構造として設計する |
| 2 床版の耐久性は輪荷重の大きさと頻度、大型車の走行台数の影響を大きく受ける | ○(正しい) | 疲労は繰返し回数で効く |
| 3 鋼床版は縦リブ、横リブでデッキプレートを補剛したもの | ○(正しい) | 床組構造または主桁で支持される |
| 4 合成桁の床版のコンクリートは主桁作用と床版作用の応力を同時に受ける | ○(正しい) | 2方向の応力が重なる |
| 5 床版の設計にはL荷重を用いる | ×(誤り) | 使うのはT荷重。隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたもの |
選択肢5の後半にある「隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたもの」はT荷重の説明そのものです。名前だけを見ないと切れません。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
活荷重は2種類あり、床版と床組にはT荷重、主桁にはL荷重を使います。T荷重は車輪を模した集中荷重、L荷重は等分布荷重と線荷重の組合せです。
この設問は名前だけを差し替えていて、集中荷重という説明のほうは正しく残してあります。中身が合っているぶん通り過ぎやすい形です。
同じ崩し方が平成23年度Ⅳ-9⑤・平成26年度Ⅲ-10⑤・平成30年度Ⅲ-9④・令和4年度Ⅲ-7①・令和6年度Ⅲ-9⑤にも出ています。令和2年度Ⅲ-9では逆に形のほうを崩していました。
覚え方
- 床版はT荷重、主桁はL荷重
- T荷重は集中荷重、L荷重は等分布と線荷重
- 名前と形のどちらも崩し先になる
理解度チェック
床版の設計に使う活荷重は何か。
T荷重です。隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたものになります。
L荷重はどの部材に使うか。
主桁などです。等分布荷重と線荷重の組合せで表します。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-9
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成29年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 圧密で排出されるのは間隙水
- Ⅲ-2 間隙比が小さい構造が密な状態
- Ⅲ-3 ダルシーの法則は流速と動水勾配
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 外径が効く円環断面が最大
- Ⅲ-6 ローラー支点は回転も自由
- Ⅲ-7 たわみの公式は分母に3がある
- Ⅲ-8 まわし溶接部は有効長に含めない
- Ⅲ-9|床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントB種はASRを抑える
- Ⅲ-12 施工に要るのはワーカビリティー
- Ⅲ-17 全水圧は三角形分布の面積
- Ⅲ-18 時間で変わるのは不定流
- Ⅲ-19 単一管路では流量が変わらない
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