平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-18 を解説、時間で変わるのは不定流
平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-18は、水の流れの分類に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、流れを分類する用語を正しく使い分けられるかを問うものです。引っかけの核心は不定流と不等流の入れ替えで、時間的な変化を不等流と書いてあります。
残る4つは完全流体、層流と乱流、圧縮性、開水路の定義です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理で管の途中の圧力を出す|答えは負圧になる
各選択肢の正誤
5つのうち4つは流体力学の基本用語の定義です。誤りは1つで、分類の軸が入れ替わっています。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 粘性を考えない流体を完全流体という | ○(正しい) | 解析を簡単にするための仮想的な流体 |
| 2 流速や流れの規模が大きくなると層流から乱流に変わる | ○(正しい) | レイノルズ数で判定する |
| 3 圧縮性の影響を無視できるかで圧縮性流体と非圧縮性流体に分かれる | ○(正しい) | 水は通常は非圧縮性として扱う |
| 4 流速・水深が時間的に変化する流れを不等流という | ×(誤り) | それは不定流。不等流は場所によって変わる流れ |
| 5 自由表面を持ち水が大気に接して流れるものを開水路の流れという | ○(正しい) | 管路の流れと対になる分類 |
選択肢4は前半の「時間的、空間的に変化するかどうかで分類され」までが正しい説明です。最後の名前だけが入れ替わっています。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
流れの分類には2つの軸があります。時間で変わるかどうかが定流と不定流、場所で変わるかどうかが等流と不等流です。
この設問は軸の説明を正しく書いたうえで、名前だけを取り違えさせています。前半を読んで納得すると後半で落ちる形です。
令和元年度Ⅲ-18は、この設問の④を正しい形に直したうえで、代わりにマニングの式に関する誤り肢を入れたものです。残る4つは平成29年度と同じ内容で、設問の骨格が引き継がれています。
覚え方
- 時間で変わるのが不定流、場所で変わるのが不等流
- 完全流体は粘性を考えない仮想の流体
- 開水路は自由表面を持つ流れ
理解度チェック
流速や水深が時間的に変化する流れは何と呼ぶか。
不定流です。非定常流とも呼びます。
不等流はどんな流れか。
場所によって流速や水深が変わる流れです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」9ページ Ⅲ-18
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成29年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 圧密で排出されるのは間隙水
- Ⅲ-2 間隙比が小さい構造が密な状態
- Ⅲ-3 ダルシーの法則は流速と動水勾配
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 外径が効く円環断面が最大
- Ⅲ-6 ローラー支点は回転も自由
- Ⅲ-7 たわみの公式は分母に3がある
- Ⅲ-8 まわし溶接部は有効長に含めない
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントB種はASRを抑える
- Ⅲ-12 施工に要るのはワーカビリティー
- Ⅲ-17 全水圧は三角形分布の面積
- Ⅲ-18|時間で変わるのは不定流
- Ⅲ-19 単一管路では流量が変わらない
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