平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2 を解説、間隙比が小さい構造が密な状態
平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2は、土の構成と基本的物理量に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、土質の入口にある用語の定義をそのまま問うものです。引っかけの核心は飽和度と含水比の入れ替えで、選択肢1に含水比の定義が飽和度として置いてあります。
誤りが4つある形なので、正しい1つを探すよりも定義が入れ替わった箇所を見つけるほうが早いです。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の三相|含水比も間隙比も分母は土粒子
各選択肢の正誤
5つのうち4つが誤りなので、正しい1つを残す形になります。どれも1か所だけ言葉を差し替えてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 土粒子の質量に対する水の質量の割合を飽和度という | ×(誤り) | それは含水比の定義。飽和度は間隙の体積に対する水の体積 |
| 2 単位体積の土に含まれる土粒子の重量を湿潤単位体積重量という | ×(誤り) | それは乾燥単位体積重量。湿潤は水を含んだ土全体の重量 |
| 3 間隙比が小さい構造が密な状態、大きい構造が緩い状態 | ○(正しい) | 間隙が少ないほど詰まっているという素直な関係 |
| 4 粒径0.075mm以下が細粒分、特に0.005mm以上が粘土 | ×(誤り) | 粘土は0.005mm以下。細かいほうが粘土になる |
| 5 粒径加積曲線が幅広い土は締固めやすく、粒度配合が悪い | ×(誤り) | 前半は正しいが結論が逆。それは粒度配合の良い土 |
選択肢5は前半が正しいので、最後まで読まないと切れません。文の後ろに誤りを置くのは繰り返し出てくる形です。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
飽和度と含水比はどちらも水の量を表しますが、比べる相手が違います。飽和度は間隙の体積に対する水の体積、含水比は土粒子の質量に対する水の質量です。
湿潤単位体積重量と乾燥単位体積重量の違いは、水を数えるかどうかだけです。選択肢2は水を数えていない説明に湿潤という名前を付けています。
粒径加積曲線が幅広いということは、大きい粒の隙間に小さい粒が入って詰まるということです。締固めやすい土を粒度配合が悪いと呼ぶ言い方はありません。
覚え方
- 飽和度は体積の比、含水比は質量の比
- 土粒子だけを数えるのが乾燥単位体積重量
- 曲線が幅広いのは粒度配合が良い土
理解度チェック
飽和度と含水比はどこが違うか。
飽和度は間隙の体積に対する水の体積、含水比は土粒子の質量に対する水の質量です。
粒径加積曲線が幅広い土はどう呼ぶか。
粒度配合の良い土と呼びます。締固めやすい特色を持ちます。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-2
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成29年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 圧密で排出されるのは間隙水
- Ⅲ-2|間隙比が小さい構造が密な状態
- Ⅲ-3 ダルシーの法則は流速と動水勾配
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 外径が効く円環断面が最大
- Ⅲ-6 ローラー支点は回転も自由
- Ⅲ-7 たわみの公式は分母に3がある
- Ⅲ-8 まわし溶接部は有効長に含めない
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントB種はASRを抑える
- Ⅲ-12 施工に要るのはワーカビリティー
- Ⅲ-17 全水圧は三角形分布の面積
- Ⅲ-18 時間で変わるのは不定流
- Ⅲ-19 単一管路では流量が変わらない
- ▶ 平成29年度 一覧へ