平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-3 を解説、ダルシーの法則は流速と動水勾配
平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-3は、定水位透水試験の模式図から透水係数の関係式を選ぶ問題です。5つの式のうち最も適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、ダルシーの法則を式の形で書けるかを問うものです。引っかけの核心は左辺が流量QでなくQ÷Aである点で、断面積を掛けた形が2つ混ぜてあります。
動水勾配は水頭差を長さで割った値です。h÷Lとl÷hのどちらが勾配かを取り違えると2つ目の落とし穴に入ります。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の透水|ダルシーの法則と動水勾配
各選択肢の正誤
5つの式は左辺と右辺の組合せが違うだけです。次元をたどれば2段階で絞れます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 QA=k×h÷L | ×(誤り) | 左辺が流量に面積を掛けた形で、流速になっていない |
| 2 QA=k×L÷h | ×(誤り) | 左辺も右辺も違う。動水勾配も逆さま |
| 3 Q÷A=k×h÷L | ○(正しい) | 左辺が流速、右辺のh÷Lが動水勾配。ダルシーの法則そのもの |
| 4 Q÷A=k×L÷h | ×(誤り) | 左辺は正しいが動水勾配が逆さま |
| 5 Q÷A=k×h×L | ×(誤り) | 左辺は正しいが割り算が掛け算になっている |
左辺で1と2が落ち、右辺で4と5が落ちます。2段階で絞れる形です。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
ダルシーの法則は v=k×i という形で、vは流速、iは動水勾配です。流速は単位時間に単位面積を通る水の量なので、Q÷Aで表されます。
動水勾配は水頭差を流れた距離で割った値です。この試験装置では水頭差がh、砂供試体の長さがLなので、h÷Lになります。
透水係数kは速度と同じ単位を持ちます。式の両辺の単位をそろえるという見方でも、選択肢3だけが残ります。
覚え方
- ダルシーの法則は v=k×i
- vは流量でなく流量を面積で割った流速
- 動水勾配は水頭差を長さで割る
理解度チェック
ダルシーの法則の左辺は何を表すか。
流速です。流量Qを断面積Aで割った値になります。
動水勾配はどう計算するか。
水頭差を流れた距離で割ります。この装置ではh÷Lです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」2ページ Ⅲ-3
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成29年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 圧密で排出されるのは間隙水
- Ⅲ-2 間隙比が小さい構造が密な状態
- Ⅲ-3|ダルシーの法則は流速と動水勾配
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5 外径が効く円環断面が最大
- Ⅲ-6 ローラー支点は回転も自由
- Ⅲ-7 たわみの公式は分母に3がある
- Ⅲ-8 まわし溶接部は有効長に含めない
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントB種はASRを抑える
- Ⅲ-12 施工に要るのはワーカビリティー
- Ⅲ-17 全水圧は三角形分布の面積
- Ⅲ-18 時間で変わるのは不定流
- Ⅲ-19 単一管路では流量が変わらない
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