平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-5 を解説、外径が効く円環断面が最大
平成29年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-5は、5つの断面のうち図心軸まわりの断面二次モーメントが最も大きくなるものを選ぶ問題です。図はいずれも寸法にdを使っています。
この問題のポイント
この問題は、断面二次モーメントが寸法の何乗で効くかを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は正方形が2つ置いてある点で、向きを変えても値は同じです。
計算そのものは公式に入れるだけです。5つを数値にして並べれば迷いません。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:断面二次モーメント|図心軸まわりの計算
各選択肢の正誤
5つの断面をすべて数値に直して並べます。dの4乗を単位にすると比べやすくなります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 一辺dの正方形(辺が水平) | ×(誤り) | d⁴÷12=0.0833d⁴ |
| 2 一辺dの正方形(対角線が水平) | ×(誤り) | d⁴÷12=0.0833d⁴。向きを変えても同じ値 |
| 3 直径dの円 | ×(誤り) | πd⁴÷64=0.0491d⁴ |
| 4 外径1.5d・内径dの円環 | ○(正しい) | π(1.5d)⁴÷64−πd⁴÷64=0.199d⁴で最大 |
| 5 底辺d・高さdの三角形 | ×(誤り) | d⁴÷36=0.0278d⁴で最小 |
円環だけが0.1を超えていて、次に大きい正方形の2倍以上あります。差がはっきりしているので数値に直せば迷いません。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
外径が1.5倍になると、断面二次モーメントは1.5の4乗で5.06倍に効きます。中を抜いた分の1.0を引いても4.06倍が残ります。
正方形は図心を通るどの軸まわりでも断面二次モーメントが同じです。選択肢1と2が同じ値になるのはこのためで、両方が正解になる形は作れません。
三角形は分母が36で、同じ寸法の長方形の3分の1です。5つのなかで最も小さくなります。
覚え方
- 断面二次モーメントは寸法の4乗で効く
- 正方形はどの軸でも同じ値
- 三角形の分母は12でなく36
理解度チェック
正方形の向きを45度変えると断面二次モーメントはどうなるか。
変わりません。正方形は図心を通るどの軸まわりでも同じ値になります。
円環の断面二次モーメントはどう求めるか。
外径の円から内径の円を引きます。どちらもπd⁴÷64で計算します。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-5
- 公益社団法人 日本技術士会「平成29年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成29年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 圧密で排出されるのは間隙水
- Ⅲ-2 間隙比が小さい構造が密な状態
- Ⅲ-3 ダルシーの法則は流速と動水勾配
- Ⅲ-4 水面より下は水中単位体積重量
- Ⅲ-5|外径が効く円環断面が最大
- Ⅲ-6 ローラー支点は回転も自由
- Ⅲ-7 たわみの公式は分母に3がある
- Ⅲ-8 まわし溶接部は有効長に含めない
- Ⅲ-9 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-10 アルカリシリカ反応は膨張する
- Ⅲ-11 高炉セメントB種はASRを抑える
- Ⅲ-12 施工に要るのはワーカビリティー
- Ⅲ-17 全水圧は三角形分布の面積
- Ⅲ-18 時間で変わるのは不定流
- Ⅲ-19 単一管路では流量が変わらない
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