平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-6 を解説、トラスにも圧縮材がある
平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-6は、トラス構造に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、トラスの部材にどんな力が作用するかを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は圧縮力が作用しないと言い切ってある点で、引張だけの構造ではありません。
残る4つは定義、解法、名称、静定の性質です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:単純ばり|せん断力図と曲げモーメント図
各選択肢の正誤
5つのうち4つはトラスの基本です。誤りは部材に作用する力の話にあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 まっすぐな棒状の部材の両端をピン結合し、三角形の骨組みを基本とする | ○(正しい) | トラスの定義そのもの |
| 2 トラスの構成部材には圧縮力は作用しない | ×(誤り) | 引張材も圧縮材もある。曲げが生じないだけ |
| 3 静定トラスの部材力は節点法や断面法で求める | ○(正しい) | 代表的な2つの解法 |
| 4 上弦材と下弦材が平行なら平行弦トラス橋、そうでなければ曲弦トラス橋 | ○(正しい) | 形状による分類 |
| 5 静定トラスは力のつり合い条件式だけで支点反力と部材力を算定できる | ○(正しい) | 静定の定義 |
選択肢2は言い切りの形なので、反例が1つあれば落とせます。圧縮材があるから座屈の検討が要ります。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
トラスの部材に曲げが生じないのは、両端がピンで結合されていて軸方向の力しか伝わらないためです。軸力の向きは引張と圧縮の両方があります。
上弦材が圧縮、下弦材が引張になるのが単純支持のトラス橋の典型です。圧縮材は座屈するので、断面の決め方が引張材と変わります。
静定トラスは力のつり合いだけで解けますが、不静定トラスでは部材の変形も考える必要があります。静定かどうかは部材数と節点数の関係で判定します。
覚え方
- トラスは軸力だけ、向きは引張と圧縮の両方
- 圧縮材があるから座屈を検討する
- 静定トラスはつり合いだけで解ける
理解度チェック
トラスの部材に曲げが生じないのはなぜか。
両端がピン結合で、軸方向の力しか伝わらないためです。
静定トラスはどう解くか。
力のつり合い条件式だけで支点反力と部材力が出ます。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-6
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成28年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅲ-2 最大間隙比は最も緩い状態
- Ⅲ-3 正のダイレイタンシーは膨張
- Ⅲ-4 支持力係数はせん断抵抗角で決まる
- Ⅲ-5 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅲ-6|トラスにも圧縮材がある
- Ⅲ-7 片持ち柱の有効座屈長は2倍
- Ⅲ-8 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅲ-9 BMSはコストの名前ではない
- Ⅲ-10 水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅲ-11 かぶりは大きくする
- Ⅲ-12 プレとポストの説明が入れ替えてある
- Ⅲ-17 水面と小穴の高さの差だけが効く
- Ⅲ-18 摩擦損失は管径に反比例
- Ⅲ-19 平均流速は粗度係数に反比例
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