平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-11 を解説、かぶりは大きくする
平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-11は、鉄筋コンクリートに関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、かぶりが何のためにあるかを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は大小を1語だけ反転させてある点で、前半の考慮すべき事項は正しく並んでいます。
残る4つはあき、定着、鉄筋量、継手の選定です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:鉄筋コンクリートとプレストレストコンクリート
各選択肢の正誤
5つのうち4つは配筋の基本です。誤りは寸法の大小にあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 鉄筋のあきは粗骨材の最大寸法や施工性を考慮して確保する | ○(正しい) | コンクリートが鉄筋の周囲にゆきわたる寸法 |
| 2 鉄筋端部がコンクリートから抜け出さないよう確実に定着する | ○(正しい) | 強度を発揮させるため |
| 3 かぶりは鉄筋の直径に施工誤差を加えた値よりも小さくしなければならない | ×(誤り) | 大きくする。かぶりは鉄筋を守る厚み |
| 4 ぜい性的な破壊を防ぐため鉄筋量が過多または過少とならないように配置する | ○(正しい) | 有害なひび割れも制御する |
| 5 継手は鉄筋の種類・直径・応力状態・継手位置等に応じて選定する | ○(正しい) | 条件で使い分ける |
選択肢3は前半に正しい事項が4つ並んでいます。最後の1語だけを見る必要があります。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
かぶりは鉄筋をコンクリートで包んで守るための厚みです。薄くすれば中性化や塩害が早く鉄筋に届くので、小さくする方向の規定は成り立ちません。
施工誤差を加えるのは、実際の配筋が設計位置からずれても必要な厚みが残るようにするためです。だから加えた値より大きくします。
選択肢4のぜい性的な破壊は、鉄筋が少なすぎて突然壊れる形です。多すぎるとコンクリートが先に潰れるので、上限と下限の両方があります。
覚え方
- かぶりは直径+施工誤差より大きく
- あきは粗骨材が通る寸法
- 鉄筋量には上限と下限の両方がある
理解度チェック
かぶりはどのくらい必要か。
鉄筋の直径に施工誤差を加えた値よりも大きくします。
鉄筋量に上限がある理由は何か。
多すぎるとコンクリートが先に潰れ、ぜい性的な破壊になるためです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-11
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成28年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅲ-2 最大間隙比は最も緩い状態
- Ⅲ-3 正のダイレイタンシーは膨張
- Ⅲ-4 支持力係数はせん断抵抗角で決まる
- Ⅲ-5 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅲ-6 トラスにも圧縮材がある
- Ⅲ-7 片持ち柱の有効座屈長は2倍
- Ⅲ-8 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅲ-9 BMSはコストの名前ではない
- Ⅲ-10 水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅲ-11|かぶりは大きくする
- Ⅲ-12 プレとポストの説明が入れ替えてある
- Ⅲ-17 水面と小穴の高さの差だけが効く
- Ⅲ-18 摩擦損失は管径に反比例
- Ⅲ-19 平均流速は粗度係数に反比例
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