平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-10 を解説、水セメント比が大きいと中性化が速い
平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-10は、コンクリートの性質に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、水セメント比が性能に効く向きを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は中性化速度の向きだけが逆にしてある点で、他の4つは同じ向きに並んでいます。
水セメント比が大きいと組織が粗くなり、性能はどれも下がります。向きをそろえて読めば外れている1つが浮きます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:フレッシュコンクリート|ワーカビリティーと材料分離
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述です。水セメント比が効く向きに注目します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 圧縮強度は水セメント比が大きくなるほど小さくなる | ○(正しい) | 水が多いと組織が粗くなる |
| 2 引張強度は割裂引張強度試験方法によって求める | ○(正しい) | 円柱供試体を横に置いて割る試験 |
| 3 乾燥収縮は単位水量が多いほど大きくなる | ○(正しい) | 抜ける水が多いほど縮む |
| 4 中性化速度は水セメント比が大きくなるほど遅くなる | ×(誤り) | 逆。組織が粗いほど二酸化炭素が入りやすく速く進む |
| 5 凍害対策の1つとして水セメント比を小さくすることが挙げられる | ○(正しい) | 組織を緻密にして水の侵入を減らす |
選択肢1と5はどちらも水セメント比を小さくする方向に効きます。4だけが逆を向いています。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
水セメント比が大きいということは、水の分だけ硬化後に空隙が残るということです。空隙が多いと二酸化炭素も塩化物イオンも入りやすくなります。
中性化はコンクリート表面から二酸化炭素が入り、アルカリ性を失っていく現象です。組織が粗いほど進む速さが上がります。
選択肢5の凍害対策も同じ理屈です。水セメント比を下げて組織を緻密にすれば、凍る水そのものが減ります。
覚え方
- 水セメント比が大きいと組織が粗くなり性能が下がる
- 中性化も塩害も速く進む
- 引張強度は割裂引張強度試験で測る
理解度チェック
水セメント比が大きいと中性化速度はどうなるか。
速くなります。組織が粗く二酸化炭素が入りやすいためです。
コンクリートの引張強度はどう測るか。
割裂引張強度試験方法です。円柱供試体を横に置いて割ります。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-10
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成28年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅲ-2 最大間隙比は最も緩い状態
- Ⅲ-3 正のダイレイタンシーは膨張
- Ⅲ-4 支持力係数はせん断抵抗角で決まる
- Ⅲ-5 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅲ-6 トラスにも圧縮材がある
- Ⅲ-7 片持ち柱の有効座屈長は2倍
- Ⅲ-8 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅲ-9 BMSはコストの名前ではない
- Ⅲ-10|水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅲ-11 かぶりは大きくする
- Ⅲ-12 プレとポストの説明が入れ替えてある
- Ⅲ-17 水面と小穴の高さの差だけが効く
- Ⅲ-18 摩擦損失は管径に反比例
- Ⅲ-19 平均流速は粗度係数に反比例
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